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スピリット・オブ・タスマニアでバス海峡を渡る/タスマニア巡り 第27回

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デボンポートに停泊するスピリット・オブ・タスマニアII号

 タスマニア第3の町、デボンポートは、メルボルンとタスマニアをつなぐ海の玄関口です。多くの貨物船はもちろん、タスマニア唯一のカー・フェリーの発着港でもあります。

 マージー川河口の港に停泊する紅白のスピリット・オブ・タスマニアは、オーストラリア本土とタスマニアの間にあるバス海峡の航路約360キロメートルを航行するカー・フェリー。1985年から始まったこのサービスは数回にわたる新船就航を経て、2002年に現行のスピリット・オブ・タスマニアI号とII号の2隻が就航しました。

 この2隻は同型船で全長は約200メートル。その積載量は乗客1400人、車両500台にも及びます。年間45万人もの乗客を運ぶタスマニアの主要航路の1つです。

 22年まではデボンポートと本土側のポート・メルボルンのステーション・ピアをつないでいましたが、現在は寄港地をメルボルンから1時間ほど南に下ったジーロンに移動しています。

 所要時間は9時間から11時間で毎日1便、ハイ・シーズンには1日2便がピストン運航をしています。タスマニアに車を持ち込むためにはフェリーに乗る必要があるため、特にキャンピング・カーやキャラバン、自家用車で旅する人が多くなる10月から4月ごろは予約でいっぱいです。大型車両の場合は2カ月待ちなんていうこともざら。ただし、今年末には新たなスピリット・オブ・タスマニアIV号とV号が現行船に代わって就航する予定になっており、積載量は現行船の1.5倍になるので混雑の解消が期待できます。

 III号がないのは、実は以前、デボンポートとシドニーの間で就航したのですが、現在運航がないためです。

 スピリット・オブ・タスマニアを利用する際に気を付けなければならないのは、タスマニアはバイオセキュリティーが厳しいため、車の中を徹底的に調べられることです。特に食料を積んでいることが多いキャンピング・カーなどは、乗船前の検疫通過に時間が掛かります。また、それに伴いターミナルから乗船するまで1時間以上掛かります。

 部屋のタイプは、ダブルやシャワー・トイレ付きの4人部屋、リクライニング・シートなど幅広く選択することができます。タスマニアを自家用車でめぐりたい、家族でキャンプ旅行をしてみたいという人にはぴったり。次回タスマニア上陸の際には、ぜひ船旅をご体験ください。

このコラムの著者

稲田 正人

稲田 正人

タスマニアのツアー・ガイド/コーディネーター。タスマニア大学で動物学・環境学を学んだ後、のんびりゆったりした生活感に魅せられ、そのままタスマニアに在住。現在は現地旅行会社AJPR(Web: www.ajpr.com.au)に勤務する傍ら、多過ぎる趣味に追われる日々を満喫中

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