スカーブラ/ブリスベン郊外
ブリスベン周辺で“Peninsula(半島)”といえば、ブリスベン中心部から北に小1時間ほど車を走らせ、橋を渡った先のレッドクリフ(Redcliffe)のこと。その“半島”を年に数回訪れるのは、レッドクリフの地元フットボール・クラブ、その名もペニンシュラ・パワーとの対戦に娘のクラブが遠征(と言うほど、遠くはないが……)する時だ。
その際、必ず訪れるのが半島の北端の海沿いのサバーブ、スカーブラ(Scarborough)。レッドクリフ有数のハイソなエリアで多くの裕福なシニアが暮らす。車で走っていても車窓の景色や雰囲気がガラリと変わる。
そんなスカーブラで長らくカフェを営み、地域の人々に愛されている友人がいる。毎回、彼女の元気な顔を拝みに何の前触れもなくそのカフェをふらりと訪れるのだが、いつも変わらぬ満面の笑みで迎えてくれる。
うまいコーヒーとディスプレーに入り切らないぐらいのバラエティー豊富なスイーツの数々、お店の“女将さん”である彼女の元に集うフレンドリーなお客さんとスタッフ。何とも居心地の良い空間がいつもそこにはある──と、ここまで書いておきながら写真はない。タイミング悪く閉店間際の訪問だったこともあって、すっかり写真を撮るのを忘れてしまった。その代わりに、スカーブラ・ビーチとは逆側のヨットのマリーナ近くの海岸をパチり。
遠くにグラスハウス・マウンテンズを望む穏やかな内海の景色を眺めながらの安らぎのひと時は、日々の喧騒を忘れさせてくれる。忘れないように、お土産のカンノーリが超絶美味だったことも付け加えておかねば。それにしても、ふらりと寄れる場所があるのはありがたい。
植松久隆(タカ植松)
文・写真 タカ植松(植松久隆)
ライター、コラムニスト。ブリスベン在住の日豪プレス特約記者として、フットボールを主とするスポーツ、ブリスベンを主としたQLD州の情報などを長らく発信してきた。2032年のブリスベン五輪に向けて、ブリスベンを更に発信していくことに密かな使命感を抱く在豪歴20年超の福岡人