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次なるチャンスはどこなのか─今後の不動産の動向を見据える/オーストラリア不動産の現状

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長期にわたり豪州不動産販売のアドバイスやサポートを手掛けるGIM Capital Professional Pty Ltdが豪州不動産市場の動向や情報を分かりやすく解説。


豪州不動産相場のにらみ合いはいつまで続くのか

 長く続く法定金利の下降予想の報道の結果を待ち詫びている人も多いかと思います。元々日本に比べると高金利だった豪州ですが、コロナ禍下の景気拡大の目的で金利は一時的に下げられました。社会の景気回復と正常化を受けて以前の水準前後に引き上げられたのですが、一般心理として「こんなに高い金利で融資を申し込むのは生活に支障が出る」との懸念から住宅購入の「買い渋り」が始まりました。その傾向は、意外にも長く物件価格の上昇の妨げとなり、価格は停滞気味でした。そして昨今の報道で「2024年中におそらく数回にわたって法定金利が下がり融資利率も下がる」との見方から、その時期をじっと待っている購入希望者が存在すると言われています。金利が下がるのを待ちマイホームもしくは投資物件を買いたい一般購入者と、建築費用が上昇しているため、販売価格を上げたくてたまらないと待ちわびている建築会社、デベロッパーの市場を挟んだにらみ合いが続いている状況です。

豪州における居住地域とその集中傾向

 コロナ禍が境となり、土地価格はその前とは大きく様相を変えました。日本の約20倍の広大な土地を有するオーストラリアですが、実際には全豪の東部に80%程度で、全豪に満遍なく住んでいるわけではなく、各都市を中心として居住地域は広がっており、生活空間として下水道が完備されたライフラインの整った地域に人口は集中しています。そのため、どうしてもそれらの中心となる各都市部分の価格が上昇しがちとなります。これはアラスカを除くと、ほぼ面積が同等の米国とは異なる都市集中傾向です。

建設会社やデベロッパーの現状

 一般購入者の安値に向かい期待とは裏腹に、建設業者やデベロッパーは建材の高騰、輸入部材の値上がり、更には工賃の値上がりに苦難を強いられています。特に全豪のフルタイムの平均年収は98,000ドルを超え、3月発表時点で4%以上の上昇を記しているため、これまで通りの工費で建設が可能ではなくなりました。更に土地価格は既に上がっているので、今後集合住宅を建設すると知ればどうしても高額費用が掛かり、価格設定はこれまで通りとはならず、高上がりしてしまうのは必須です。オーストラリアの2大不動産情報サイトの1つである「Domain.com」によれば、昨年12月の都市別不動産価格は(表1)となっており、全豪で緩やかな上昇が始まりつつあります。低迷期という見方が大半であるにもかかわらず、実際にはキャンベラとダーウィンを除くほとんどの都市では既に微増が始まっています。

人気の場所は伸びるなら、そうではない地域は? 

 各都市の状況を俯瞰すると、第6の都市ゴールドコーストで富裕層向け物件が急増し、高額物件が登場しはじめましたが、その余波なのか同じ州内の第3の都市ブリスベンにも高級志向の物件が増えています。7、8年前に供給過多気味となったブリスベンはその後の発表物件も少なく、横ばいと言える市場だったのが遂に変動し始めました。かつて第1の都市だったシドニーは中値が高いものの、価格差が顕著で今後30%以上の人口が集中すると予測されている西部は海に接した地域もある人気の北部やのどかともいえる南部よりも、まだ抑え目価格地域も多いです。そして、昨年4月中旬に豪州第1の都市となったメルボルンにおいては、他の都市に比べると手堅い価格で品質の良い物件も入手可能です。つまり、賢く都市比較するとまだ低めの水準で推移している地域があり、それらが将来値上がりする期待を秘めています。特に、都心より人気エリア特にメルボルンのシティ・カウンシルは、今後3%という高い予測で人口が増えると予測しているのでチャンスと言えます。また、サバーブ別の価格差も発生しています。例えばメルボルンは、評判が意図されている東側の郊外都市は既に高い水準の価格帯が主になっています。シドニーの場合、北部の中心エリアであるチャッツウッドなどが需要が多いことから高額水準となっています。ブリスベンでもカンガルー・ポイントなどでこれまでにない超高額物件が発表されるようになりました。昔の相場は戻って来ない、とすれば次なるチャンスはどこなのかと地域を見据えている方々の参考となれば幸いです。

 国際的に見ても都心部の地価、不動産価値、家賃は上昇しがちで、人口が減りつつある国日本でさえ東京は上昇しつつあるようです。株や金、FXといった投資と違い、不動産は必ずなくてはならないもの。人口が増加している豪州では早めに住宅を手に入れ、安定的な不労収入、家族の幸せを守るマイホームの構築をお勧めしたいものです。物件選定には専門家の意見を参考として安心の資産、マイホーム獲得に向け尽力しましょう。

鶴美枝

鶴美枝

グローバル・インテリジェンス・マネージメント代表。創業2010年以来、豪州各地の優良不動産を厳選し、豪州及び日本在住のホーム・オーナー若しくは投資家の方々の購入をサポートし資産増幅、理想の住まいの確保に日々尽力中。日本と豪州にて法学部大学院卒業。豪州不動産フルライセンス保持

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