Q: 今年10年生になる子どもがいます。周りの保護者の方々から今年の10年生から数学を取ることが必須だと聞きました。大学に行くためには英語と数学を必ず選択しなければならないのは本当ですか。数学が苦手な生徒には不利にならないでしょうか?(シドニー在住)
数年前から、大学進学のためにATARを取るなら、英語と数学の選択が必須になるという情報がありましたが、今年のHSCからその本試験が始まります。
数学を取るように促しているのは、社会人として生きていく時のために、必要最低限の知識を身に着けるためです。以前は「Life skills」という名前の科目としてありましたが、ATARを取るための科目にはなかったため、受講する学生はごくわずかでした。
しかし学生が将来、社会人として生きていく際には、英語が必要になるのと同様に、買い物をする、保険を掛ける、家や車を購入するためのローンを組む、貯蓄するなど、数学の基礎知識が必要になる場面に必ず直面します。その時に正しい知識を持って自身で計算していくことはとても重要です。
もちろん、質問者のお子さんのように数学が得意でないという生徒もいます。そのような人のために生活に必要なごく基本の知識のみを扱う「Mathematics Standard 1」と従来の「Standard」、「Standard 2」が必修となったと考えられます。
数学選択の仕方サンプルは以下のようになります。
Year11 | Year12 |
Mathematics Standard コースの基礎となる◇マークのついた内容 | Mathematics Standard1 |
Mathematics Standard | Mathematics Standard1or2 |
Mathematics Advanced | Mathematics Advanced |
Mathematics Advanced Mathematics Extention1 | Mathematics Advanced Mathematics Extention1 |
Mathematics Advanced Mathematics Extention1 | Mathematics Advanced Mathematics Extention1 Mathematics Extention2 |
HSCの選択科目を選ぶ際、教科の合計を最低12単位選択する必要があります。
■単位についてはこちらから
Choosing HSC subjects | NSW Government
■数学の内容と選択方法はこちら
Mathematics in Stage 6 | NSW Education Standards
科目選択については、決定までに学校の先生と相談する時間がありますので、じっくりと考えましょう。分からないことは各学校にいるキャリア・アドバイザーの先生に相談することをお勧めします。
以上は、大学進学を目指してATARを取得したい生徒のためのものです。もし、大学に進学せず就職することを考えているのであれば、ATARは不要ですし、選択の仕方も変わってきます。こちらもキャリア・アドバイザーの先生に相談しましょう。
また、通学する学校で選択できない科目についてはTAFEやNSW州の土曜日校、通信教育などで取得できるものもあります。いずれも学校の先生とよく相談して決めましょう。
■HSC全体に関するページはこちら
About | NSW Education Standards
回答
内野 尚子
在豪26年。デイケア、プリスクールAuthorizedSupervisor、補習校の教師兼代表を経て2007年UniversalKIDS設立。19年よりオンラインで保護者や教師向けのバイリンガル教育や子育てアドバイスも行なっている。
Web: universalkids.com.au