Q: 今年、キンディーに入った子どもがいます。毎日絵本を持って帰るのですが、リーディングが上達しません。このまま上達しない場合、どうしたら良いでしょうか。親ができることがあれば教えてください。
会話とリーディングは同じように上達しないお子さんもいるので、会話はできるけれどリーディングがなかなか上達しないと心配ですね。しかし、まだキンディーの2学期目ですので、もう少し様子を見てみるのが良いと思います。急にぐっと伸びることがあるかもしれません。
ご家庭での使用言語や毎日の生活スタイルによって英語に触れる時間が異なるため、周りとは比べず、お子さん個々の成長にフォーカスするようにしましょう。ただ、もし本当に問題があると学校側から判断された場合には学校から連絡があるはずです。その時は、教師とどのように指導していくかを相談するようにしましょう。
その時に、リーディング・リカバリー(Reading Recovery)というサポート・システムを勧められるかもしれません。
リーディング・リカバリーは、ニュージーランドで開発された、読み書きが難しい小学1年生の児童のためのサポートです。
キンディーが始まると、教師が児童に合ったレベルの本を毎日1、2冊選び、それを児童が家に持ち帰って読むように指導します。学校では、ボランティアで参加している保護者など、リーディングを個別に見てくれるサポーターがいて、1対1で取り出しレッスン(教室の端や廊下などでするレッスンする)をして、レベルが合っているかをチェックしてくれます。その過程で問題のある児童を特定し、リーディング・リカバリーというシステムによって問題が深刻になる前に早めに対処するのです。
児童は、訓練を受けた専門の教師と1対1で、12週間から最長で20週間、教室でのレッスンに加えて毎日30分のレッスンを行います。リーディング・リカバリー・チューターは、教師と観察ノートを通じて密に連携を取りながら、児童の変化に合わせて計画を練り直します。個々の強みや弱み、ニーズ・ポイントを特定・把握することで、児童自身も学びやすくなります。
保護者ができることとしては、学校の宿題の本ではなく、お子さんの好きな絵本を読んであげて、「読むことは楽しいことなんだ」と感じられるようにしてあげると良いと思います。英語の語彙ゲームなどをして楽しむのも良いでしょう。
■参考Web「Reading Recovery Australia」
Web: readingrecovery.org.au
回答
内野 尚子
在豪26年。デイケア、プリスクールAuthorizedSupervisor、補習校の教師兼代表を経て2007年UniversalKIDS設立。19年よりオンラインで保護者や教師向けのバイリンガル教育や子育てアドバイスも行なっている。
Web: universalkids.com.au