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HSCを控えたお子さんを持つ保護者ができること/オーストラリア教育あれこれ

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Q: 今年4学期から12年生になり、HSCの本番を迎える年になる子どもがいます。親ができることはどんなことでしょうか?

 HSCの相談にいらっしゃる保護者から一番多いのが「親ができることは何ですか?」という質問です。まずは保護者がHSCについて知ることが大事だと思います。

 HSCは日本の受験とは随分違いますし、保護者のどちらかがHSCの経験者だとしても親として向き合うのは初めてのことだと思います。ほとんどの日本人の保護者は日本で育ち大学受験をした世代なのではないでしょうか。

 お子さんが通う学校や補習校、民間の説明会などに積極的に参加してHSCについて知ることが大切です。内容を全部把握できなくても、HSCで使われる用語、例えばATARやアセスメント、ランキングなどそれらを知るだけでも違います。

 また、言葉自体を知っていても、HSCにおける意味は違っていることがあります。言葉を正しく理解していれば、お子さんや先生と話をする時に共通の認識を持ちながら話ができ、不要な摩擦を防ぐことができます。HSCのお子さんを持つ保護者同士で情報交換をするのも良いでしょう。

 理系・文系的な考え方、大学ランクについてなど、日本での受験の経験をHSCに当てはめないようにしましょう。HSCの結果として出されたATARは偏差値とは違います。HSCは日本の受験とは大きく異なります。大学それぞれに特徴があり、お子さんがどの学部で何を勉強したいかが何よりも大切です。

 HSCは2年間という長丁場なので、お子さんのストレスのレベルに注視しながら環境を整えてあげましょう。過剰なプレッシャーは禁物です。テストの話ばかりをしたり、他のお子さんと比べたりしないでください。お子さんが悩んでいたら何を必要としているかを尋ね、一緒に解決方法を考えましょう。保護者面談とは別に学校の先生と個別に相談するのも良いですね。

 その他、勉強漬けにせず、散歩やジョギング、カフェでのランチなど気分転換を勧めてあげましょう。また、スマホの使い方についてもよく話し合いましょう。HSCが終わった後の楽しみなどを一緒に考えておくのも良いと思います。

 最後に、保護者の皆さんも忙しいと思いますが、HSCの期間中はお子さんを家の用事などから解放してあげましょう。これは以前、HSCを経験した子どもたちから出てきた強い要望です。HSCの期間はいつもより家事を減らしたり、気分転換になるような家事をしてもらうようにしましょう。

■NESAの保護者へのアドバイス「Managing exam stress – parents (nsw.gov.au) 」
Web: www.nsw.gov.au/sites/default/files/2023-08/managing-exam-stress-parents.pdf

回答

内野 尚子

在豪26年。デイケア、プリスクールAuthorizedSupervisor、補習校の教師兼代表を経て2007年UniversalKIDS設立。19年よりオンラインで保護者や教師向けのバイリンガル教育や子育てアドバイスも行なっている。
Web: universalkids.com.au

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