ご機嫌いかがですか、れんです。
九州の本格的な夏の始まりと言えば、全国一の集客数を誇る祭、櫛田(くしだ)神社の『博多祇園山笠』(重要無形民俗文化財/ユネスコ無形文化遺産)です。
櫛田神社は京都の八坂神社と同様、神社の中に仏教の「祇園宮」がある「神仏合祀」の神社です。祭神は須佐之男命(スサノオノミコト)で、日本では仏教の“祇園”精舎の守護神である牛頭天王(ゴズテンノウ)と習合しています。博多山笠は正式には『博多櫛田祇園宮夏期例大祭』と言い、神事ではなく仏教の例祭なのです。
博多山笠は「流(ながれ)」というグループ単位で「山笠(やま)」を運営しており、現在は7つの流(恵比寿流・大黒流・土居流・東流・西流・中洲流・千代流)があります。「山笠」には飾って華やかさを高める「飾り山笠」と、市内を走り回る「舁(か)き山笠」があります。かつては八坂神社の祇園祭同様、飾り山笠の優美さを競っていましたが、1687年、昼飯中の土居流を追い越そうとした恵比寿流に土居流が対抗したことで「追い山笠」が生まれ、一番のクライマックスとなりました。
今年は第783回。7月1日から15日までの2週間、博多は山笠一色になります。
さて、2008年5月に始まり17年目に入っていたこのコラムですが、日豪プレスの運営方針の改編により、今回をもって最終回の運びとなりました。
日本各地に存在する年中行事を書き続けて丸16年、多少なりとも皆様のお役に立てたことがあったのなら幸甚に存じます。長い間ご愛顧賜った読者の皆様には深く感謝申し上げると共に、ご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
今後とも書家・矢野れんをどうぞよろしくお願い致します。
れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。作品“ふるさと”が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。元号“令和” (総領事館蔵)、日立豪 “協創”揮毫。豪五輪委員会で応援大書。書道教室。LINEスタンプ販売中。
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