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カウラ収容所集団脱走から80年 世界平和を祈念する式典が開催

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 8月4・5日にカウラで80周年追悼式典が開催される。奈良・西大寺の辻村泰範師や奈良県の堀井巌議員に加え、奈良県でソプラノ歌手として活動する荒井敦子氏らが参加し、カウラの子どもたちと日本の歌「故郷」などを披露する予定だ。

 また、7日にはリズモア市のサザン・クロス大学内にあるトニー・グリン神父日豪センターで、カウラに日本人墓地を作る運動に大きく関わり、クリスチャンと仏教の合同追悼式の挙行や、奈良県から多くの僧侶を招いたトニー・グリン神父の没30周年忌、及びジャパン・センター創立20周年のイベントが行われる。

 リズモア市出身のトニー・グリン神父は、奈良教区司祭として地元の福祉事業に取り組みながら、戦後の反日感情が厳しい中で、オーストラリアでの日本展の開催や豪州軍人が持ち帰った日本刀の返還事業、日豪双方の各地での仏教・キリスト教合同慰霊祭など、日豪の和解を推進するために活動した。

 トニー・グリン神父日豪センターは、1999年にサザン・クロス大学文学部で日本語講師をしていたマクラレン温子氏が、大阪万博記念基金事業の公募を知り、日本センターを構想して大学当局と相談し、日本センター委員会を設置したことからスタート。日豪和解の映画『愛の鉄道』を制作していた千葉茂樹監督とポール・グリン神父(トニー・グリン神父の弟)に会い、同作品を見てグリン神父兄弟の日本への深い愛に感動し、日本センターにトニー・グリン神父の名前を付けたいと考え、2004年に実現した。

 センター内にはトニー・グリン神父が日豪両国政府から受けた勲章や奈良市の名誉市民章、蔵書や新聞記事の切り抜きなどをはじめ、日本絵画や着物が展示され、来訪者が日本文化を体験できるようになっている。





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