クイーンズ・ワーフ/ブリスベン
開業直後のクイーンズ・ワーフを“山の神”と連れ立ち、訪れた。カジノの入ったホテルの1階の澄ました感じのレストランでの結婚記念日ディナーが主目的だったが、その感想は、以下で。
味は良し、雰囲気も良し、量少なし、値段は高し……2度目はありか?
食後、話題のルーフ・トップの展望台を目指すが、何とも案内が分かりにくい。たまりかねて警備員に聞くと、彼女自身も全くの不案内。「じゃあ、一緒に行ってみよう」と案内された先は、建物の逆側のエレベーター・ホール。彼女は悪びれずに「あら、このリフトでも上がれないわね。じゃ、他に聞いて」と立ち去った。唖然として彼女を見送ると、もう展望台はどうでも良くなった。
帰路に着くべく建物内を周回すると、内装工事すら始まっていないテナントがほとんど。なぜか、空き物件の1つに限定の超高級車ロールスロイスが鎮座しているなど、なかなかのカオス。もちろん、順次、営業開始してにぎわっていくのだろうが、現時点では見切り発車的開業なのは明らかだ。
カジノのオープン時の騒ぎや経営悪化の報道、予定されていたメイン・テナントの突然の撤退など開業直後からミソが付いた新たなランドマークの滑り出しだが、誤解の無きよう。行き帰りの往来でブリスベン川に架かった新たな歩道橋から仰ぎ見た圧倒的な貫禄の存在感だけに、テナントが出そろい、全ての施設が整えば、自然に人びとが集まる真の意味でのランドマークに育つのは間違いない。
ちなみに、その後、SNS上で流れて来る投稿を見る限り、皆さん、屋上展望台には問題もなくたどり着けているようだ。不親切な案内板も改善され、警備員もうまく案内できるようになったのだろう。まずは、良かった。落ち着いたら、再挑戦してみよう。
植松久隆(タカ植松)
文 タカ植松(植松久隆)
ライター、コラムニスト。ブリスベン在住の日豪プレス特約記者として、フットボールを主とするスポーツ、ブリスベンを主としたQLD州の情報などを長らく発信してきた。2032年のブリスベン五輪に向けて、ブリスベンを更に発信していくことに密かな使命感を抱く在豪歴20年超の福岡人