天皇皇后両陛下(令和6年2月9日撮影)
2025 日本国首相ほか政府要人より新年の言葉
ISHIBA Shigeru
Prime Minister of Japan
日本国内閣総理大臣 石破茂
令和7(2025)年の年頭に当たり、オーストラリアにお住まいの日本人、日系人の皆様に、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
世界各地では、約130万人の在留邦人の方々、そして約5 0 0万人の日系人の方々が、それぞれの地域社会で活躍され、その功績は高く評価されています。また、皆様による日本の文化や魅力の発信、オーストラリアの方々との交流は、日本とオーストラリアとの絆を深め、両国の国民間の友好親善を一層深化させることに貢献されています。私自身、昨年11月にペルー及びブラジルを訪問した際に、日系人、在留邦人の方々と直接お話しする機会があり、異国の地における皆様の献身的な御活躍に触れることができました。
現在、国際秩序に大きな挑戦がもたらされ、ウクライナや中東、また地球規模課題への対応を巡り、国際社会の分断と対立が進んでいます。我が国周辺でも、核・ミサイル能力の強化、急速な軍備増強、力による一方的な現状変更の試みなどの動きが一層顕著になっています。こうした厳しく複雑な国際社会においても、国益に基づく現実的な外交により、日米同盟を基軸に、友好国・同志国と緊密に連携するとともに、中国を含む各国との対話を重ねます。これにより、分断と対立を乗り越え、法の支配に基づく国際秩序を断固として堅持する考えです。
私としては、これらの努力を積み重ねることにより、日本が引き続き世界から信頼され、力強い国であり続けるよう、そして皆様にとって母国、ルーツとして誇りに思うことができる国であり続けるようにしていきたいと考えております。皆様におかれては、引き続き、日本とオーストラリアとを結ぶ架け橋として、各方面においてお力添えを頂きたく、よろしくお願い申し上げます。
本年は巳年となりますが、脱皮を繰り返す様子から、再生、変化、成長を象徴するとも言われております。本年が皆様にとって大いなる飛躍の一年となることを願うとともに、皆様の御多幸と御繁栄を祈念申し上げ、私の年頭の御挨拶といたします。
令和7(2025)年 元旦
内閣総理大臣 石破茂
(提供:内閣広報室)
IWAYA Takeshi
Minister of Foreign Affairs of Japan
日本国外務大臣 岩屋毅
オーストラリアにお住まいの日本人、日系人の皆様、明けましておめでとうございます。昨年10月に外務大臣に就任した岩屋毅です。
外務大臣を拝命した2週間後、私は、第64回海外日系人大会に参加された皆様をお招きし、最初のレセプションを主催しました。また、昨年11月にペルーを訪問した際には、現地の日系人の方々にお会いすることができました。こうした機会に多くの方々からお話を伺う中で、世界各地の日系社会の絆の強さや、皆様がそれぞれの地域で日本との架け橋として果たされている大きな役割を改めて強く感じました。
ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢、厳しさを増すインド太平洋の安全保障環境など、既存の国際秩序は大きな挑戦にさらされています。このような中で、日米同盟の深化と抑止力の強化、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた同盟国・同志国との連携、グローバル・サウスとのきめ細かな連携を三つの柱として、積極的に国際社会の平和と安定、繁栄に貢献していきたいと考えております。
日本外交を前に進めていくに当たっては、日本と各国との国民同士の交流を通じて世界の融和と協調に貢献されてこられた在留邦人ならびに日系人の皆様からの一層の御助力が不可欠です。今後とも、皆様の御支援をよろしくお願い申し上げます。
この一年の皆様の御健勝と御多幸を祈念し、私の年頭の御挨拶とさせていただきます。
令和7(2025)年 元旦
外務大臣 岩屋 毅
(提供:外務省)
SUZUKI Kazuhiro
Ambassador of Japan to Australia
在オーストラリア日本国大使 鈴木量博
明けましておめでとうございます。昨年は、大使館のソーシャル・メディアでも度々ご紹介しましたが、与野党問わず政治レベルにおいて、また訪問した各地において、日本への好感度の高さを肌身で体感した1年でした。
就任後間もない石破総理とアルバニージー首相の会談がG7各国首脳との二国間会談に先駆けて実現したことは、「特別な戦略的パートナー」である現在の日豪関係の重要性を端的に示したものでした。
安保・防衛分野では、日本を取り巻く厳しい安保環境の下、重層的な同盟国・同志国連携が重要となる中、日豪2+2や日米豪防衛相会談などを通じ具体的協力が進みました。本年もハイレベル協議や多数の共同訓練・演習、最先端技術を含む防衛装備分野などさまざまな機会を最大限活用し、協力を進めていきます。
経済的な日豪の結び付きの強さも実感しています。昨年の日豪経済合同会議(於:名古屋)には両国から558人が参加。19年前、同じく名古屋で開催された際の参加者は209人と伺いましたので、飛躍的な両国関係強化の証左だと言えましょう。
日豪ビジネス・チャンスは、住宅、宇宙など多様な分野に広がっています。大使館主催の不動産・住宅セミナーでも、日本の経験や技術への期待に強い手応えを感じました。日本の投資・技術と豪州のポテンシャルが融合し、経済関係の更なる発展に努めます。日本からの更なる投資には、事業環境の透明性、予見可能性と政府の支援が必要であることを繰り返し豪連邦・州政府などに伝えていきます。
本年は戦後80周年です。昨年のカウラ・ブレイクアウト(日本人捕虜集団脱走事件)80周年に続き、日豪戦後和解の道のりが次世代に引き継がれるよう人的交流や広報活動に注力します。
最後に、本年4月、大阪・関西万博が開幕します。皆様も、豪州が強い熱意で取り組むパビリオンをぜひご体験下さい。
本年も、日豪関係強化に向け大使館一丸となって取り組みます。変わらぬご支援をお願い致します。
YAMANAKA Osamu
Consul-General of Japan in Sydney
在シドニー日本国総領事 山中修
新年明けましておめでとうございます。昨年10月に在シドニー日本国総領事として着任した山中です。着任以降、NSW州や北部準州の政府関係者、日本人会、日本企業関係者を始めとする皆様と交流する機会に恵まれ、そのような交流を通じて日豪間の二国間関係の相互補完関係を強く実感しています。また、日本の美濃加茂市と姉妹都市関係にあるダボ市や、戦後和解の象徴であるカウラ市を訪問する機会を得ました。これらの訪問を通じ、市民交流や文化交流、戦後和解に向けた取り組みなどさまざまな分野における重層的な日豪関係を実感しました。
両国間の往来に関しても、昨年は、2月の小池百合子東京都知事によるシドニー訪問や、穂坂泰外務大臣政務官を始め日本からも多くの出席者を得た8月のカウラ・ブレイクアウト80周年記念慰霊行事など、多くのハイレベル訪問がございました。また、両国間の観光客数につきましても、新型コロナによる一時的な中断はあったものの、ここ数年活発になってきており、特に豪州から日本への観光客数は昨年10月時点で既に2023年の実績を上回ったと承知しています。
関係者の皆様の不断の御尽力により当地の日本文化に対する関心や人気も非常に高く、私も着任以降、毎週のように日本文化関連行事に出席する機会があり、誠にうれしい限りです。昨年12月には、新型コロナの影響もあり中断されていた「MATSURI JAPAN FESTIVAL」が5年ぶりに開n催され、大きな成功を博したことは記憶に新しいと思います。
今年は日本で大阪・関西万博が開催される予定で、ハイレベルの往来を含め、人と人との交流が深まる絶好の機会になるかと思います。この機会を生かし、両国の友好関係を更に深化させ、豪州内、とりわけNSW州と北部準州において日本の存在感を益々高めるべく尽力して参りますので、引き続き皆様の御協力と御支援を頂戴できれば幸いです。
FURUYA Tokuro
Consul-General of Japan in Melbourne
在メルボルン日本国総領事 古谷徳郎
新年明けましておめでとうございます。昨年11月に在メルボルン日本国総領事として着任した古谷徳郎です。4年振りに豪州で新年を迎えました。以前、キャンベラの日本大使館に勤務していましたので、2度目の豪州勤務となります。豪州の人たちは明るく優しく、再び豪州に戻って来られたことを大変うれしく思います。
着任後は早速、メルボルン地域の中で、そして昨年12月には南オーストラリア州を公式訪問し、両州の政府・経済関係者及び在留邦人の皆様にお会いすることができました。タスマニア州にも今年1月始めに公式訪問を行う予定です。当館としては、企業の方々、永住者の方々、あるいは留学生やワーキング・ホリデーを含めた短期滞在者の方々など、幅広い在留邦人の皆様のためにできる限りのことをしたいと考えており、開かれた総領事館を目指していきます。
昨年10月、名古屋で行われました第61回日豪経済会議と、着任数日後にキャンベラで開催された豪州日本商工会各支部合同年次交流会に出席しました。日豪経済人や政府関係者、日系企業の方々にお会いし、日豪の経済面における前向きな動きと参加者の熱気に圧倒されました。日豪両国は国内外の政治情勢変化や不安定な国際情勢にかかわらず、ゆるぎない関係で結ばれていることを再認識しました。多くの日豪関係者にお会いし知見を深めながら、両国の友好と協力関係の一層の強化のために全力を尽くしたいと考えています。
今年は愛知県とビクトリア州が友好提携45周年を迎えます。前述の日豪経済会議には、ビクトリア州のガードナー総督も出席されました。このような姉妹都市間を含む幅広い層による人的交流が本年も活発に行われることを願っています。
今年の干支は乙巳(きのとみ)で、「努力を重ね、物事を安定させていく」という意味合いを持つ年とされています。皆様と共に良い年にして参りましょう。
ISHIKAWA Katsutoshi
Consul-General of Japan in Brisbane
在ブリスベン日本国総領事 石川勝利
新年明けましておめでとうございます。昨年12月、在ブリスベン総領事として着任しました。皆様と新しい年を迎えられますことを大変うれしく感じています。着任して1カ月あまりではありますが、自然の豊かさと共に、フレンドリーで親日的な方々に恵まれ、QLD州の魅力を心から実感しています。日豪・日QLD州の関係強化のため尽力したいと思います。
QLD州では、昨年10月に州議会選挙が行われ、自由国民党が過半数を超える議席を獲得、9年ぶりの政権交代となりました。今後、新政権との関係構築を積極的に進めて参ります。QLD州は日本との経済的結びつきが強く、特に資源・エネルギー、食料供給の分野で重要なパートナーです。当地で活動する日本企業の皆様が、今後も安心してビジネスを行うことができるよう、引き続き州政府関係機関の理解と協力を得つつ、環境整備に力を注ぎたいと考えております。
また、QLD州は文化や人的交流の分野においても関係が緊密です。当地赴任に先駆けて、QLD州と深いつながりのある複数の自治体を訪問しました際には、それら自治体とQLD州の姉妹・友好都市関係や国際交流活動について知見を深めることができました。特に、本年はブリスベン市と神戸市が姉妹都市締結40周年の節目の年であり、人的交流が益々活発に行われることを期待しています。
そして、本年4月、いよいよ大阪・関西万博が開催されます。QLD州はゴールド・パートナーとして、万博成功に向けて大きな貢献をしており、多くの要人を順次日本に送り込む準備をし、大変に熱が入っています。万博の開催を通じ、日豪・日QLD州の関係が一層深化することが期待されます。また、より多くの方々に万博会場を訪れて頂き、日本の魅力を体験頂けたらと願っております。
本年も皆様と共に日豪関係の強化に努めて参りますので、引き続き、ご支援い頂けましたら幸いです。本年も皆様にとりましてすばらしい1年となりますことを祈念いたします。
NAITO Yasushi
Consul-General of Japan in Perth
在パース日本国総領事 内藤康司
新年明けましておめでとうございます。着任直後に岸田文雄総理(当時)をパースにお迎えして2年が経過し、昨年は西豪州総督とパース市長の訪日、ANAパース・成田直行便の5カ月の休みを経た上での再開があり、さらに日豪経済会議が本年10月5~7日にパースで開催されることが名古屋での第61回日豪経済会議で決定されました。
また、昨年はパース・鹿児島姉妹都市締結50周年を記念して両市長の相互訪問が行われた他、東急が開発するヤンチェップも50年を迎え、美しい街となり、クリーン・グリーン・サステイナブル・シティへの共感と鉄道延伸でさらに発展を続けています。さらに西豪州・豪日協会の50周年は連邦議会でも報告され、同協会が運営する日本文化教育センター(旧兵庫センター)、通称JECCWA(ジェクワ)にも日本企業等から多大なご支援を賜りました。
このように、昨年は、人的な絆を紡いだ先人たちの努力に感謝しつつ、次の半世紀へ日豪友好の決意を新たにする良い機会となりました。
厳しさと不安定さを増す国際情勢により、日本と豪州の連携は一層重要性を増しています。かかる中、西豪州には、安全保障協力、資源エネルギー安定供給、重要鉱物や脱炭素、宇宙分野等のイノベーション等で活発な動きが集中し、本年中に豪フリゲート艦計画、ブラウズ等新規ガス田開発などを含め、重要な進展が期待されます。日豪経済会議が17年ぶりにパースで開催される本年は大きなチャンスですので、着実に進展できるよう努力して参りたいと思います。
当地はインド洋に沈む夕日とピンクに染まる空など、息をのむ瞬間に出合える機会が多く、直行便が3月末以降を含め通年運航するので、パースの良さをより多くの方々に知ってもらえると思います。大阪・関西万博がある本年は、豪州から100万人の訪日が期待されます。当地でもパース日本祭りなどさらに盛り上げて参りたいと思います。
2025年が皆様にとり、すばらしい年となるようお祈り申し上げます。