メルボルン市内、ヤラ川河畔のメルボルン・パークで開催中の2025年グランドスラム(GS)の第1戦、テニス全豪オープンの熱戦を、長年にわたり同大会を取材する日豪プレス記者・板屋雅博が独自の視点でリポートする。
(文・写真=板屋雅博)
全豪オープン第2日が1月13日(月)、メルボルン・パークで開催された。前日と打って変わった好天に恵まれ、開場と同時に多くの人が同会場に訪れた。
この数年、1回戦は3日間で行われるようになっている。初日が雨天だったため、屋外コートで予定されていた西岡良仁、内島萌夏の1回戦が2日目に持ち越しになった。そのため、この日はもともと予定されていた日比野菜緒、ダニエル太郎、大坂なおみなどの試合もあり、日本のファンやメディアにとっては大忙しの1日になった。
日差しが非常に強く、会場では日焼け止めが無料で配布されるブースに人だかりができたが、気温は27度ほどと暑くはなく、すばらしい全豪2日目となった。
内島萌夏(世界ランキング63位、23歳)の1回戦を観戦して、インタビューにも参加してきた。相手は同40位のマグダ・リネッテ(ポーランド、32歳)。
試合は、第1セットを4─6で落としたものの、第2セットは6─2で圧倒。第3セットもタイブレークの末に7─6(10─8)で撃破し、逆転で全豪シングルスでの初勝利をものにした。
インタビューでは前日の錦織圭の試合が参考になり、「試合の中盤までは負けていても、後半が勝負。最後まであきらめずにがんばろうと思った」と語った。
対戦相手のリネッテは、長く練習を共にしてきた間柄で仲が良く、「この試合でも相手の体調や気持ちが良く分かり、互いの長所、弱点を出し合った試合だった」と内実を紹介していた。
6年ぶりに全豪で勝利し初戦を突破した前日の錦織の会見は100人ほどが入るメインのインタビュー・ルームで行われたが、内島の会見はわずか10人ほどの小さなインタビュー・ルームであることが印象的であった。現地司会者が英語での説明を促して、内島はバイリンガルの英語で説明を始めたが、メディアは全員が日本人なのですぐに日本語に切り替える一幕があった。
そのほか日本勢は、女子シングルス1回戦で世界ランキング51位の大坂なおみ(27歳)が67位のカロリーヌ・ガルシア(フランス、31歳)を6―3、3―6、6―3で下し、2回戦に進んだ。
日比野菜緒(同141位、30歳)は17位のマルタ・コスチュク(ウクライナ、22歳)に6―3、3―6、1―6の逆転で敗れた。
男子シングルス1回戦では、西岡良仁(同65位、29歳)が231位のアジズ・ドゥガズ(チュニジア、27歳)を3―6、6―4、7―6、6―3で下し、2大会ぶりに初戦突破。ダニエル太郎(同113位、31歳)は173位のトリスタン・スクールケート(オーストラリア、23歳)に7―6(6)、6―7(4)、1―6、4―6で敗れた。