メルボルン市内、ヤラ川河畔のメルボルン・パークで開催中の2025年グランドスラム(GS)の第1戦、テニス全豪オープンの熱戦を、長年にわたり同大会を取材する日豪プレス記者・板屋雅博が独自の視点でリポートする。
(文・写真=板屋雅博)
全豪オープン第4日、大坂なおみの2回戦は、メルボルン・パークのキア・アリーナで行われた。キア・アリーナは、2年前に新設されたアリーナで屋根の開閉設備はなく、雨天では試合ができない欠点がある。今日は朝から小雨模様で、第2試合の大坂の試合は開始時間が遅れ、肌寒い気候の中で行われた。
大坂は1回戦ではフルセットで勝利して2回戦に進んだ。2回戦の対戦相手は、2023年全仏で準優勝した強豪選手であるカロリーナ・ムチョバ(チェコ、28歳、20位)。ムチョバとは昨年の全米オープン2回戦で対戦し、ストレートで敗退している。出産からの復帰後、大坂は昨年の全豪1回戦で敗退するなど、世界ランク上位の選手に歯が立たなかった。
しかし、今日の大坂なおみは何かが違った。試合前のウォームアップでも体が軽やかに動いた。見た目にも明らかなのは、体がシェイプアップしていた。練習を積み、大会に参加を続けることで体の切れが戻っている。
大坂の実力を知るムチョバは最初から飛ばしてきた。スロー・スターターの大坂は、簡単に第1セットを落とした。しかし第2セットからは全盛期を思わせるプレーを連発した。強烈なスマッシュを放ち、ボールを強打した際の音がアリーナに何度も響き渡った。ネットへ向かっての突進なども何度も見られた。
結局、大阪は1─6、6─1、6─3の逆転で勝利を飾った。3回戦では、東京オリンピック金メダルのベリンダ・ベンチッチ(スイス)と対戦する。