5月10日投票ほぼ確実か オーストラリア連邦選挙

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オンライン賭博も少数政権織り込む

 オーストラリアの次期連邦選挙(任期3年初来の下院の全議席と同6年の上院の約半数を改選)は、「4月6日公示、5月10日投票」の線が濃くなっている。与党労働党(中道左派)のアンソニー・アルバニージー首相は、中央銀行の豪準備銀(RBA)の追加利下げにも期待しつつ、2期目の再選に望みを託す。

 サイクロン「アルフレッド」から変わった低気圧による洪水災害の影響で、すでに4月中の選挙実施の可能性は消えた。このため、投票日の選択肢はすでに5月3日か10日、規定上最も遅い17日の3つの土曜日に絞られている。

 連邦首相が英国王の代理人である連邦総督に選挙実施(公示)を要請するのは、慣例で日曜日となっている。また、規定により公示から最短33日の選挙期間が必要となっている。

消去法で5月3日と17日はない!?

 このため、3つの選択肢のうち5月3日投票の場合、公示は最も遅くても3月30日となる。ただ、この日程は3月25日に予定されている新年度予算案発表の直後となるため、選挙運動の期間が十分に取れないとの指摘がある。

 また、憲法や連邦選挙法の規定から、最も遅い選択肢となる5月17日も、可能性は全くゼロではないものの、きわめて低そうだ。任期ギリギリまで引っ張れば首相はますますレームダック(死に体)となり、手足を縛られる。

 このため、消去法で、スケジュールに余裕がある5月17日投票となる可能性が最も高い。公示日は最も遅くて4月6日。このケースでは、国民生活にプラスとなる追加利下げによる浮揚効果も期待できる。RBAは3月31日〜4月1日、金融政策を決める会合を開く。現時点では据え置く可能性が高いと見られるが、今後の景気次第では2月に続く利下げもあり得る。

ギャンブラーも僅差の大接戦想定

 最新の世論調査分析によると、連邦選挙では2大勢力のいずれもが過半数に満たない「ハング・パーラメント」(少数政権)となる可能性が高まっている。

 オンライン賭博も、僅差の少数政権を織り込んでいる。オーストラリアのギャンブル大手「TAB」の「連邦選挙でどちらが勝つか」の賭けでは、オッズ(配当率=数字が小さいほど可能性が高い)は「労働党勝利」が2.35、「保守連合(最大野党)勝利」が1.58となっている。選挙後の政権の形態については、「保守連合の少数政権」が3.00、「労働党の少数政権」が2.85と拮抗している。

 なお、オンライン賭博はオーストラリア国内で賭ける限り合法となっている。TABなどのギャンブル大手がサイトを開帳しており、様々なスポーツだけではなく国内外の主な選挙に賭けることもできる。ギャンブラーも身銭を切って賭けているので、意外と選挙情勢を正確に反映している場合がある。

■ソース

Federal government to hand down 25 March budget after Tropical Cyclone Alfred delays election announcement(The Guardian)

Australian Federal Politics – Betting Odds(TAB)

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