オーストラリア不動産売買について─その3 外国人による不動産購入の禁止/豪州ビザ・法律最新事情

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 2025年2月16日、オーストラリア政府は既存住宅の外国人購入を少なくとも2年間禁止し、「ランド・バンキング(未開発土地の保有)」に対する取り締まりを強化する方針を発表しました。この措置は、住宅市場の安定化と国内居住者向けの住宅供給を確保することを目的としています。

概要

 25年4月1日から27年3月31日まで、以下の外国人に対して、既存住宅の購入申請が禁止されます。この措置の背景には、既存住宅の購入が外国人投資家による価格高騰を引き起こし、地元住民の住宅購入を困難にさせている現状が挙げられています。

一時滞在者(留学生や就労ビザ保持者を含む)
・外国資本の企業
・その他の非居住外国人

 ただし、以下の例外に該当する場合は、引き続き購入が認められます。

1. 住宅供給を大幅に増加させる、または住宅供給を支援する投資(集合住宅プロジェクトや再開発計画への投資や老朽化した建物を取り壊して住宅を建設する場合など)
2. パシフィック・オーストラリア労働移動計画(PALMスキーム) に関連する住宅購入
3. 以下の特定の居住者層
・永住者
・ニュージーランド市民
・オーストラリア市民、永住者、ニュージーランド市民の配偶者(共同名義で購入する場合)

ランド・バンキングとは

 ランド・バンキングとは未開発の土地を購入して長期間保有し、地価が上昇した時点の高値で売却する投資法を指し、特に海外投資家に人気のある戦略でした。しかし、開発が進まないため住宅供給が滞り、需要が増加しても新築物件が市場に出回らない状況を生んだり、土地が投機的に保持されたりすることで価格が高騰するなど問題点も浮き彫りになっています。

 24年調査によると、シドニーとメルボルンの都市部で約18%の未開発住宅用地が3年以上開発されることなく放置されています。オーストラリア全体で見ると、約2万区画の住宅地がランド・バンキング目的で保有されていると推定されており、外国人所有の未開発地の内、40%以上が開発義務を果たしていないことが明らかになっています。

 そのため、政府のねらいは、このような塩漬け状態にある土地を減らし、実際に住宅建設が進むよう促すことにあります。

 この禁止措置は、現時点において27年3月31日までとされていますが、政府は市場状況や住宅供給の推移を見ながら、延長や修正の可能性を検討する予定です。

アドバイザー

清水 英樹

清水 英樹

オーストラリアQLD州弁護士。在豪30年以上。地元大学卒業後、弁護士資格を取得。フェニックス・グループCEOとして傘下にあたる「フェニックス法律事務所」、ビザ移民コンサルティング「Goオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、交通事故ならびに労災を専門に扱う「Injury & Accident Lawyers」を経営

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