オーストラリア紀伊國屋書店のスタッフがトレンドをピックアップ!「本屋大賞2025」/オーストラリア紀伊國屋 トレンド・チェック

SHARE

 本好きにとって、トレンドに取り残されてしまうのはつらいところ。本連載では、シドニーCBDに店を構え、KINOと親しまれるオーストラリア紀伊国屋書店協力の下、トレンド・キーワードと共に読み逃せない話題の3冊と、日本のトレンドをキャッチするための最新ランキングをご紹介していきます。



 冬本番となり、寒さがいよいよ厳しくなってきた今日この頃。ウインター・スポーツ好きには待ちに待った季節の到来です。一方、寒い日に家でゆっくりと本を読んでくつろぐというのが、読書好きにはたまらない冬の過ごし方。今年も「2025年本屋大賞」が発表されたので、この冬にぜひ読みたい上位3作品をご紹介します。新刊書店員による現場目線の投票で選ばれる文学賞というだけあって、今年も気になる本ばかりです。

協力:オーストラリア紀伊國屋書店
(Level 2, The Galeries, 500 George St., Sydney)





今、売れている本は?

ベストセラー・ランキング(2025年5月

■文庫ベストセラー

1街とその不確かな壁(上)村上春樹新潮社
2#真相をお話しします結城真一郎新潮社
3街とその不確かな壁(下)村上春樹新潮社
4一次元の挿し木松下龍之介宝島社
5マスカレ-ド・ゲ-ム東野圭吾集英社

新書ベストセラー

1多動脳ADHDの真実アンデシュ・ハンセン新潮社
2媚中 その驚愕の真実門田隆将/山上信吾ワック
3日本経済の死角収奪的システムを解き明かす河野龍太郎筑摩書房
4生きる言葉俵万智新潮社
5ユダヤ人の歴史鶴見太郎中央公論新社

ランキングからPick up!

#真相をお話しします

結城真一郎/新潮社

 島育ちの仲良し小学生4人組。あの日「ゆーちゅーばー」になることを夢見た彼らの末路は──。マッチング・アプリでパパ活。リモート飲み会と三角関係。中学受験と家庭教師。精子提供と殺人鬼……。日常に潜む「違和感」にあなたは気付くことができるか。新時代のミステリーの旗手による、どんでん返しの5連撃。

今週のトレンド・キーワード「本屋大賞2025

2025年本屋大賞1位受賞作

カフネ

阿部暁子/講談社(価格:A$ 42.20<会員価格:A$ 33.76>)

 法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、2人の距離は次第に縮まっていく。

全く新しい高校野球小説、開幕!

アルプス席の母

早見和真/小学館(価格:A$42.20<会員価格:A$33.76>)

 看護師として1人息子の航太郎を育てていた菜々子。湘南のシニア・リーグで活躍する航太郎には関東一円からスカウトが来たが、選んだのはとある大阪の新興校だった。声の掛からなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て、息子と共に大阪に拠点を移すことを決意。不慣れな土地で果たして2人の夢は叶うのか!?

宇宙最高の愉悦の全てが明らかに

小説

野崎まど/講談社(価格:A$47.70<会員価格:A$38.10>)

 5歳で読んだ「走れメロス」をきっかけに、内海集司の人生は小説に捧げられることになった。12歳になると小説の魅力を共有できる生涯の友、外崎真と出会い、2人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。そこで、小説家・髭先生は2人の小説世界を更に豊かにしていくが、屋敷にはある秘密があった。

KINOKUNIYA便り

 全国書店員が「本当に読んで欲しい本」を選ぶことを目的としている「本屋大賞」。読者との距離が近い書店員による選考は、読者のニーズを反映していると言えます。このランキングの最終選考では、10作品全てを読んだ書店員が順位を付けるため、毎年情熱が詰まったランキングになっています。個人的にはちょうど翻訳部門1位「フォ-ス・ウィング」を読んでいるところですが、「進撃の巨人」「ハリーポッター」好きにお勧めです。

SHARE
生活の最新記事
関連記事一覧
Google Adsense