シドニー日本人国際学校生、日本航空(JAL)シドニー支店でインタビュー─職場体験で日豪プレスを訪問

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左からJALオーストラリアの西岡秀訓さん、ケイ・ナオミさん、日本人国際学校の大林郁仁さん、永谷莉子さん

 8月8日、シドニー日本人国際学校の生徒2人が、同校の職場体験学習の一環として日豪プレスを訪れた。職場体験学習とは、実際にさまざまな職業を体験することで、それぞれの職業の特徴や仕事内容を理解し、将来の職業選択に役立てることを目的としている。今回参加したのは、中等部の大林郁仁さんと永谷莉子さん。2人は1日記者となり、取材から記事作成までを体験。その中でJALシドニー支店でマーケティング業務を担当するケイ・ナオミさんにインタビューを行い、貴重な学びを得る機会となった。

大林郁仁さん(以下、大林):航空業界で働く上で大切なスキルを教えてください。

ケイ・ナオミさん(以下、ケイ):言語力が大切です。英語や他の言語を話せると良いですね。また、チームワークも大切です。1つの目標に向かい、みんなで協力し団結しています。そして、タイム・マネージメントを意識するようにし、物事を時間通り正確に進めるようにしています。定時制を大切にすることもとても重要です。

永谷莉子さん(以下、永谷):JALの仕事内容は、大きく分けて何種類ほどありますか。

ケイ:オーストラリアでは6種類ほどあり、オフィスでは、総務やセールス・マーケティング、空港では、整備、貨物、旅客業、オペレーションなどがあります。JALグループ全体だと、ホームページを制作する人、チェックインやゲート、ラウンジのスタッフ、パイロット、客室乗務員、コールセンターで業務している人など本当にたくさんの業務があり、働いている人がたくさんいます。

大林:JALでSAF(Sustainable Aviation Fuel)は、使用されていますか。

ケイ:だんだん使われるようになってきています。SAFの主な原料は、家庭やレストランなどで使われた廃食油です。JALは、2030年までに全体の10%をSAFで運用すること目標にしています。

永谷:JALやケイさん自身は、どのような目標を持ってお仕事をされていますか。

ケイ:私は現在、マーケティングの仕事をしていて、セールスのサポートをしています。オーストラリアでは、JALをさまざまな人に知って頂き、認知度を上げてJALの便に乗って頂いて、日本を好きになってもらうことを目標としています。また、そういったことを目指すために、キャンペーンやイベント参加します。

大林:接客をする際に、気を付けていることはありますか。

ケイ:近年は国や、宗教、性別の問題が注目されているので、そういった点に気を配っています。例えば、「Mr」や「Mis」などを使わないなど、接客の仕方を工夫しています。

永谷:JALのマークの由来を教えてください。

ケイ:現在。鶴丸のマークが使われています。これは、大空に美しく舞う鶴をモチーフにしていて、日本の気高い精心を象徴しています。実は、JALのロゴは何回か変わっていて、鶴丸ではない時期もありましたが、2010年に“再生”のシンボルとして、多くのお客様の声に後押しされ、復活しました。このロゴは、日本の国旗である、日の丸にも似せています。

大林:航空業界で働く上で一番大変なことは何ですか。

ケイ:安全管理が一番大切で大変です。現場では、小さなことが大きなことにつながることがあります。1人のミスで100人以上のお客さんに影響が出る可能性もあるということです。そのため、1人ひとりが意識を高く持っていなければなりません。

永谷:社内の雰囲気について教えてください。

ケイ:小さなチームなので、一緒に食事をしたり、土日にゴミを集めるワールド・クリーン・アップ・デーのボランティアに参加したりしています。とてもアットホームな環境です。

大林:フライト中にトラブルがあった際はどのように対応されていますか。

ケイ:例えば、急病人がいらっしゃる場合は、お客様の中から、医療関係の人に手伝ってもらい応急処置をします。もし、地上係員に引き継ぎが必要な場合は、機内からメッセージを送信して、着陸した際に、地上係員が対応します。客室乗務員の中には、急病人が出た時に対応できるよう、救急救命士の資格を持っている人もいます。また、訓練は半年か1年に1回あり、それに合格しないと飛行機に乗って仕事ができません。

永谷:ケイさんが、このお仕事を選んだ理由は何ですか。

ケイ:私はもともと、航空業界に興味があり、キャビンクルーを目指していました。現在、地上係員の仕事と関係があるマーケティングの業務を行っています。

いろいろな部所にいくことで、全ての仕事がつながっていることに気付きました。お客様と話している時にやりがいを感じることが多く、イベントに参加した際にコメントをもらったりすると、「頑張って良かった」と思えます。

取材を終えての感想

 取材では、自分で質問を考え、相手に直接インタビューをする体験をしました。緊張しながらも、相手の話をしっかり聞きつつ、伝えたい内容を引き出すための会話の進め方を考えるのはとても難しく、でも楽しい作業でした。実際に取材をしてみて、事前準備の大切さや、相手との信頼関係を築くことの重要性を強く感じました。

 その後は、取材した内容を録音から文字に起こし、どのように記事としてまとめるかを考えました。話し言葉を文字に起こす作業は思った以上に時間が掛かりましたが、その分、内容を深く理解することができ、文章力や集中力が養われたように思います。

 今回の職場体験を通じて、「伝える」ことの奥深さを知ることができました。ただ正しい情報を伝えるだけではなく、読者にとって分かりやすく、興味を持ってもらえるように表現する力も求められるという点が、非常に印象に残っています。

(大林郁仁)

 私たちは日豪プレスに職場体験をさせていただきました。そしてJALに取材をさせて頂きました。質問を10個ほど用意し、1つひとつ丁寧に答えてもらいました。

 JALの仕事内容や目標にしていることを詳しく知れたため勉強になりました。私はこれまで知らなかったJALの仕事内容や工夫していることを知れてうれしかったです。そしてJALの人たちはインタビューをした際の答え方や話し方が上手だなと思いました。

 取材をする際にどのタイミングで質問をすれば良いのか、どのように話を深掘りして新しい質問をしてコミュニケーションを続けるのかが難しかったです。でも、このような体験をさせてもらい楽しかったです。

 取材を終え、日豪プレスのオフィスに行かせてもらった後、私たちは文字起こしを行いました。とても細かい作業で集中力や文章を書く力が大切だと思いました。大変でしたが終わった後、達成感を感じることができました。

 日豪プレスの人にインタビューをさせて頂いた際もどのような思いで記事を書いているのか、ウェブに記事を載せる際と新聞など紙に記事を載せる際に変えていること、工夫していることを教えてもらいました。メディアの仕事をしている人は読者の気持ちを考えて記事の書き方の工夫をしていることを知れました。

 このような経験をしたことで学校での発表や先生に質問をする際に工夫すると良いことを知ることができました。JALへの取材、日豪プレスに職場体験をさせてもらったことは勉強になり、今後につながると思います。

(永谷莉子)





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