【インタビュー】「危険を可視化することで水素社会の安心・安全に貢献したい」 九州計測器 田中武海・新事業推進室長

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③「アジア太平洋水素サミット&展示会」出展者に聞く

九州計測器の田中武海・新事業推進室長(Photo: 守屋太郎)

 水素エネルギー社会に資する取り組みやイノベーションについて、「アジア太平洋水素サミット&展示会」に出展した福岡県の産官学の関係者に話を聞いた。(聞き手:ジャーナリスト・守屋太郎)

守屋:出展された商品の特徴と技術の強みについて、お聞かせください。

田中氏: 九州計測器は福岡市博多区に本社があり、その名の通り、電子計測器や検査装置の製造・販売、受託開発を主に手がけている会社です。

 今回の展示会で紹介したのは、まず危険な水素の漏洩を検知するセンサー。目に見えない水素の拡散・挙動を可視化します。私たちのセンサーは、水素の漏洩が疑われる様々な場所に近接する「多点同期計測」という技術で、水素の漏洩したタイミングを確実に検知することができます。2010年から製造・販売している実績のある商品です。

守屋:水素は利用する際に温室効果ガスを排出しないクリーンエネルギーですが、社会に普及させるには安全の確保が欠かせません。そこで御社の独自技術が貢献するというわけですね。こちらのSFアニメに出てくるようなゴーグル型デバイスは何ですか?

田中氏: AR(拡張現実)のウェアラブルグラスです。火災検知器は高圧ガス保安法で設置が義務付けられていいます。しかし、通常の火災検知器はただ「あるエリアのどこかで発報がありますよ」と教えてくれるだけで、それを調べるのは人間なんですね。ところが、水素火災は目で見ることができません。そこで、私たちは水素火災を可視化するARウェアラブルグラスを開発しました。目視できない水素火災から人命を守る「スーパーヒーロー」です。

 水素の本格的な社会実装に向けて、私たちは安心・安全に少しでも貢献できたらと考えています。安全は世の中に「仕組み」として構築され、システムとして機能するものです。安全が確保されることによって、初めて「安心」という人の感情につながり、消費者や顧客に安心して使ってもらえるようになると展望しています。

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