【インタビュー】「オーストラリアの水素インフラに資する温度センサーを訴求したい」 岡崎製作所北九州支店 溜 勝秀・支店長

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④「アジア太平洋水素サミット&展示会」出展者に聞く

岡崎製作所北九州支店の溜勝秀・支店長(左)と国際部の松村諭・係長(Photo: 守屋太郎)

 水素エネルギー社会に資する取り組みやイノベーションについて、「アジア太平洋水素サミット&展示会」に出展した福岡県の産官学の関係者に話を聞いた。(聞き手:ジャーナリスト・守屋太郎)

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守屋:今回出展された商品の特長について、詳しく教えてください。

溜氏:岡崎製作所は、温度センサーを日本で製造し、国内外の様々な産業向けに販売しているメーカーです。福岡県内では、嘉麻市の九州工場・福岡工場と北九州支店の3つの拠点を展開しています。

 今回の展示会では、液体水素と気体の水素をそれぞれ測定する2種類の温度計、そして液体水素の水位を測る「液位計」の合計3つの商品を展示しました。

 水素はマイナス253度(沸点)以下に冷却しなければ、液化しません(液体水素の体積は気体の約800分の1)。私たちが製品化した液体水素用の温度計は、そのような極低温下の過酷な環境に耐えることができるものです。

 一方、気化した水素は体積が非常に大きくなりますので、100メガパスカル以上の非常に高い圧力でタンクに閉じ込める必要があります。そこで、私たちは超高圧下で水素を安全に管理できる温度センサーを提供しています。

 また、こうした温度計の技術を派生させる形で、液体と気体の温度差を利用し、液体水素の水位を測る液位計を開発しました。こちらの商品も今回、市場調査も兼ねて出展しました。

守屋:来場者の反応と今後の展望についてお聞かせください。

溜氏:新規顧客との商談もまとまり、有意義な出展となりました。水素をエネルギーとして利用するには、液体で極低温、気体で超高圧という特性に適した温度センサーが欠かせません。オーストラリアではこれから水素の生産設備やインフラが発展するにしたがって、温度管理のニーズが拡大していくでしょう。今後もこの国で様々な商機を模索していきたいと考えています。

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