え〜!利下げもう打ち止め? オーストラリアに「手取りが増えない夏」

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主要エコノミスト、新年の金利見通し修正

 南半球のオーストラリアでは、本格的な夏の到来とクリスマス商戦、年末年始の休暇が重なり、1年で最も個人消費が活発化するシーズンを迎えている。だが、ここ2年ほどスローダウンしていた経済成長が再加速しつつあり、インフレ再燃が顕在化している。このため、主なエコノミストからは「来年を通して1回も利下げなし」との観測が出ている。そればかりか、「新年に利上げがある」との見通しも聞かれる。

 中央銀行の豪準備銀(RBA)は8〜9日に開いた今年最後の会合で、政策金利を3.60%で据え置くと発表した。RBAは昨年12月以降、今年8月までに0.25ポイントずつ合計3回利下げを行ってきたが、据え置きは10月以降3会合連続となった。

 据え置きは市場予測通りだった、ただ、年明け以降の金利見通しは、潮目が大きく変わってきた。4大銀行の1つ、ウェストパック銀は19日に発表した短信リポートで「2026年中に利下げ2回」としていた従来の予測を修正し、「26年を通して政策金利据え置き」との見方を示した。

 同銀のルーシー・エリス首席エコノミストは次のように述べた。

「RBAの政策金利の見通しについて、26年末まで据え置き期間が長期化するとの予測に修正した。RBAは直近のインフレ率の急上昇に一時的な要因が含まれることを認めつつも、物価動向への警戒を一段と強めている」

「26年にかけてインフレは沈静化に向かう見通しだが、RBAが現在のタカ派的なリスク判断を修正するほど早期の改善は見込めない。われわれの予測シナリオ通りに推移すれば、利下げが現実味を帯びるのは27年2月および5月になるだろう」

2月利上げも想定内なの?

 一方、大手コモンウェルス銀は、RBAが金利据え置きどころか、26年2月に開く新年最初の会合で利上げに踏み切るとの予測を示した。同銀のオーストラリア経済予測部門トップ、ベリンダ・アラン氏らは16日に発表した短信リポートで、以下のように指摘している。

「RBAが26年に利上げに踏み切るとの見通しに転換した。25年第3四半期の基調インフレ率が想定を大きく上回る『上方サプライズ』となったことを受け、従来想定していた同年内の長期据え置きシナリオを撤回した。労働市場のひっ迫が続くなか、企業がコスト増を消費者に転嫁する動きが強まっており、インフレ圧力の持続性が鮮明になっている」

「12月の理事会でRBAが強いタカ派姿勢へとシフトしたことも考慮すれば、26年の金融引き締めは避けられないだろう。利上げのタイミングとしては、25年第4四半期の消費者物価指数(CPI)公表直後となる26年2月3日の理事会が最も有力であり、RBAは利上げを余儀なくされる見通しだ」

 変動金利型住宅ローンが主流のオーストラリアでは、金利の上げ下げが消費者の懐具合に直結する。利下げで住宅ローンの支払い減を期待していた生活者にとっては、「手取りが増えない夏」となりそうだ。

■ソース

Statement by the Monetary Policy Board: Monetary Policy Decision(RBA)

Week beginning 22 December 2025, AUSTRALIA & NEW ZEALAND WEEKLY(Westpac Economics)

The Australian economy in 2026 – prepare for higher interest rates(Commonwealth Bank of Australia)

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