オーストラリア在住者の暮らしはどうなるの? ③金利はこれからまだまだ上がる!?

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 中央銀行の豪準備銀(RBA)は3日、政策金利を0.25ポイント引き上げて3.85%とし、大方の予想通り利上げに踏み切った。昨年来の利下げ=金融緩和から、利上げ=金融引き締めへと政策を転換した。オーストラリアに住む私たちの暮らしへの影響について、Q&A形式でまとめた。(文・構成:守屋太郎)

Q:利上げすれば、お金持ちは利子が増えて潤うのでは?

A:それはその通り。住宅を完全に所有している3分の1の世帯は、高齢の富裕層が中心です。ローン返済が終わって、子どもも巣立ち教育費等の負担もない世帯は、銀行口座にまとまった貯蓄があるケースが多いです。利子で生活している人は、利上げの恩恵を受けます。せっかく利上げしても、利子収入が増えた富裕層の消費が活発化すれば、「かえってインフレの火に油を注ぎかねない」というジレンマもあります。

 そもそも、オーストラリアのインフレには、人口増を背景に「増え続ける需要に対して、供給が追いつかない」という構造的な問題があります。これらのギャップを埋める「労働生産性の向上」も進んでいません。

 これらは、政府の中長期的課題であり、短期的な解決策がすぐに見つかるわけではありません。国家の経済政策は、政府の財政政策と中銀の金融政策の両輪です。オーストラリアが抱える供給不足や低生産性といった構造的な問題は、中銀の金融政策だけではなんとかならない政治課題でしょう。

Q:今後の金利の見通しは?

A:ウエストパック銀のルーシー・エリス主席エコノミストは1月30日の時点で、政策金利が当面、3.85%で当面据え置かれると予測しています。「利上げは来週(のRBA会合)以降、必ずしも継続しない。今後のインフレ抑制の余地はそれほど大きくない」と指摘しました。同銀の長期予測によると、政策金利は2027年12月までに3.60%、28年3月までに3.35%まで引き下げられるとのことです。

 コモンウェルス銀、ANZ銀も、今回の局面での利上げは一度だけで、3.85%が上限との見方を示しています。

 一方、ナショナル・オーストラリア銀(NAB)は、RBAが2月に続いて5月にも追加利上げを行い、政策金利を4.1%まで引き上げると予想しています。

 少なくとも現時点では、主な金融機関のエコノミストの多くが、これから利上げのペースが加速するとは考えていないようです。これらの見立てが正しければ、住宅ローン返済者にとっては、ひとまず安心と言えるでしょう。

 ただ、ウォール街でも「エコノミストの予測ほど当たらないものはない」と言われています。インフレと金利の動向は、住宅ローン返済者だけではなく、勤務先の会社やお店の経営も含め、オーストラリア生活者全体にインパクトを与えます。今後も注意深く見守っていきましょう。

◼️出典

AUSTRALIA & NEW ZEALAND WEEKLY, Week beginning 2 February 2026(Westpac Economics)

The RBA in February –a 25bp hike expected(Commonwealth Bank of Australia)

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