なでしこジャパンとマチルダスの「日豪戦」実現なるか──地元マチルダスが母国での戴冠をねらう女子アジア杯、開幕間近も盛り上がりに課題!?/日豪フットボール新時代 第163回

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開幕間近だがメディアでの露出はまだまだ。いつもながらのスロー・スタートで、盛り上がりは開幕後のマチルダス次第か(Photo:AFC Women’s Asian Cup Australia 2026™)

 アジア女子フットボールの王者を決めるAFC女子アジア・カップ2026の開幕が迫っている。開催国の豪州代表がフィリピンを迎え撃つ開幕戦(3月1日・パース)を皮切りに、12カ国による熱戦がシドニー、パース、ゴールドコーストの3都市で戦われる。日本のグループ・リーグの3試合はいずれも西海岸パースが舞台。決勝トーナメントからは通過順位次第でシドニーでの試合で、ゴールドコーストでは準々決勝敗退後の第5・6代表決定戦でしか試合の予定がない。

 ここで「第5・6代表決定戦? 3位決定戦ではなくて?」と疑問を感じる人は、なかなか鋭い。と言うのも、この大会はアジア・カップでありながら、27年FIFA女子W杯の予選を兼ねているのだ。今大会でベスト4に進んだ国には自動的にW杯出場権が与えられ、この際、3位決定戦を行う意味はほとんどない。他方、準々決勝(ベスト8)敗退の4カ国は、2組に分かれて上述の第5・6代表決定戦を行う。その勝者がW杯出場権を得て、敗者は大陸間プレーオフに回り、W杯出場に望みをつなぐ。

 少々ややこしいが、要は日豪両代表とも取りこぼしなく勝ち上がり、準々決勝で乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負でW杯出場権を獲得するのが最低ノルマ。そこから先は、アジアの頂点を目指すガチンコ勝負。気になる「日豪戦」実現の可能性は、早ければ準々決勝で「どちらかが1位通過、もう一方が3位通過」という条件でぶつかる可能性はあるが、これは予選各組の力関係を考えると可能性は薄い。

 より現実的なのは、「どちらも順当にグループを1位通過して準決勝」か「共に2位通過して準決勝」のいずれかのケースだ。この場合、日豪両国が雌雄を決する大一番は、前者が3月18日にシドニー、後者が同17日にパースで行われる。

 確実にレベルの上がっているアジアの女子フットボール界で、長らく実績・実力ともに上位の実力国として世界に伍してきた日豪両国は、本来なら決勝の舞台での邂逅(かいこう)こそが相応しい。予選の星勘定も含め、どのような展開になるのかは大会が始まってからのお楽しみとなる。

 女子のフットボール人気が高まるこの国で行われる今大会、現地でフットボールを愛する若いフットボーラーに大いなるインスピレーションを与える質の高い大会になることを望みたい。そのためにも、もう少し盛り上がりが必要だ。正直、まだ開幕直前の昂揚感などは全く感じない。熱を生むのは、ピッチの上の選手だけではない。参加国の現地コミュニティーがどこまで盛り上げに寄与できるか──それこそが大会の成否を左右するはず。楽しみだ。

植松久隆(タカ植松)

豪州ブリスベン在住のライター/コラムニスト。日豪フットボール関係を軸に、現地視点でフットボールの背景と熱量を描く、スタジアムとコミュニティーを往復する観測者。当コラム「日豪フットボール新時代」は全国版、QLD版に異なる内容を更新していた時代から数え、14年間で優に300回は超えた





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