第2回 タスマニア巡り
年明けのイベント・シーズンはタスマニア・ワインで!
不安と困惑に明け暮れた2020年。観光業も大きな影響を受け、閑古鳥が大合唱中……。とはいえ、くよくよしていても仕方ありません。例年ならばツアー最繁期で家に帰ることもできない年末年始ですが、今年の年始は家族や友人と過ごせそう。せっかくなので、楽しくお酒を飲んで嫌なことは忘れてしまいましょう。
ということで今回はタスマニア・ワインをご紹介。適度な雨量と乾燥度、1年を通じ冷涼な気候のタスマニアは、ワイン作りには最適な土地。1950年代から細々と始まったワイナリーも今や250軒を超えるほどに成長し、その多くが州東側、ロンセストンのタマー・バレー、ホバート近郊のコール・バレー、ビシェノ付近の東海岸沿いの3地域に集中しています。種類は冷涼気候で育つ品種が主。赤ではシラーズやメルローはほとんどなく、タスマニア・ワインと言ったらこれと言われるほど、ピノ・ノワールが全生産量の半分を占めています。白はシャルドネが1位ですが、ソーヴィニヨン・ブランと並びピノ・グリが多いのも特徴でしょう。ブドウ園自体が若いこともあり、赤白共にフルーティーな風味とスッキリとした味わいのものが 多く、暑い夏にもピッタリ!世界的にも注目されるスパークリングならより一層のことです。
ここ数年でワイナリーやブドウ園が増えたとはいえ、タスマニア・ワインはまだまだ希少。多くのワイン・メーカーが生産性よりも高品質で希少性のあるワイン作りを重視しており、どれを選んでもハズレのない高いスタンダードにつながっています。国内外での高い評価を得ているこれらのワインは、これからのシーズンにはうってつけですし、こちらにお越しの際はぜひともセラー・ドアに足を運んでもらえればと思います。100軒近いワイナリーがセラー・ドアを備え、レストランを持つ所も多くあるので、タスマニア・ワインを巡る旅でお気に入りの1本を見つけましょう。それでは皆さん、飲み過ぎには気を付けて幸先の良いスタートを!
このコラムの著者
稲田 正人
タスマニアのツアー・ガイド/コーディネーター。タスマニア大学で動物学・環境学を学んだ後、のんびりゆったりした生活感に魅せられ、そのままタスマニアに在住。現在は現地旅行会社AJPR(Web:www.ajpr.com.au)に勤務する傍ら、多過ぎる趣味に追われる日々を満喫中