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マリオン·マホーニー·グリフィン(Marion Mahony Griffin) 「Paradise on Earth」

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ルーシーのアート通信

オーストラリアのアート業界で活躍中のコラムニスト・ルーシーが
オーストラリアを中心に活躍するアーティストと彼らの作品をご紹介。

第21回 マリオン·マホーニー·グリフィン(Marion Mahony Griffin)
「Paradise on Earth」

Title : Eucalyptus Urnigera Tasmanian Scarlett Bark, Sunset (Forest Portrait) Artist : Marion Mahony Griffin, c 1918. Museum of Sydney
Title : Eucalyptus Urnigera Tasmanian Scarlett Bark, Sunset (Forest Portrait) Artist : Marion Mahony Griffin, c 1918. Museum of Sydney

 今回紹介するのは、シドニー·リビング·ミュージアムの1つであるシドニー博物館で来年4月18日まで開催される「Paradise on Earth」に展示される、アーティスト兼建築家であるアメリカ出身のマリオン·マホーニー·グリフィン(1871~1961年)の作品だ。

 マリオンは、アメリカで初めて女性建築家として認められた人物で、絵画スタイルも建築に大いに影響を受けている。建築家として認められた後、有名な建築士、フランク·ロイド·ライトの建築チームに参加し、「プレーリー·スタイル(草原様式)」の建築設計を行うと共に、風景の水彩画を数多く制作し、後の芸術発展に大きく貢献した。

 1911年には、オーストラリアの首都キャンベラの都市計画を行った建築家、ウォルター·バーリー·グリフィン(1876年~1937年)と結婚し、その後は夫婦共同で建築活動を行った。2人の共同建築設計として知られるのが、1920年代にキャッスル·クラッグのシドニー·ハーバー·サイド郊外に設立した「田園都市」プロジェクトだ。自然景観との調和をコンセプトに設計され、茂みと港の音、色、匂いが神秘的に調和しており、設立から100年目を迎える今日でもシドニーの人びとに愛されている。 「Paradise on Earth」では、マリオンの並外れたアーティスト性、また建築家、歴史家、都市計画家としての多くの側面を表現するために、さまざまな展示方法が活用されている。空間を楽しむインスタレーション式の展示や最新のシステムを使用した壁·床に作品を映し出す展示方法、美しいオブジェクトなどによって、マリオンにしか作り出せないアート、建築、デザインの世界観を表している。

 シドニー·リビング·ミュージアムは、NSW州にある主要な12の歴史的建造物、庭園、美術館などを管理している。中でも、有名な建築物として知られるのがキャプテン·パイパーによって設立されたエリザベス·ベイ·ハウスとボークルーズ·ハウスだ。

 この管理システムは2013年に始まり、展示会やアーティスト·トーク·ショー、ツアーなど、各箇所でイベントを行い、芸術文化の活性化に貢献している。特に、ホリデー·シーズンは各所でさまざまな展示会が開催されたり、ライト·アップされた美しい庭園を楽しめる。この機会に訪れてみてはいかがだろう。

Web: sydneylivingmuseums.com.au/exhibitions/paradise-earth,
sydneylivingmuseums.com.au/museum-of-sydney
Instagram: sydlivmus


ルーシー・マイルス

ルーシー・マイルス(Lucy Miles)
オーストラリアと日本のアート業界で25年以上の経歴を持つ。グリフィス大学で美術学士、クイーンズランド大学では美術史の優等学位を取得。現在、サウスポートを拠点にファイン・アート・コンサルタントとして活躍中。
■Instagram: @lucymilesfineart
■Web: www.lucymilesfineart.org

■Email: info@lucymilesfineart.org

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