脇道 ── Side Streets of Sydney
Through the Camera Lens of Nao Ashidachi
写真家・足達奈穂が切り取るシドニーの風景、そして込められた思いをつづる
タウンホールのクイーン・ビクトリア・ビルディング。
初めて訪れた時、外観はもちろん、内装の隅々まで、あまりにも美しくて
驚いたことを覚えている。
壁も天井も床も階段の手すりまでもが本当に素敵。
エリアによって壁の色も異なり、さまざまな特徴的な色で塗られている。
その中の赤壁の一角。
照明を浴びる、スマホも、そしてきっと心も充電中の彼女。
彼女には、この、「とある風景」の主人公になってもらった。
この建物は以前コンサートホールだったという。
そのせいか、薄暗い空間の中に、温もりのある明かりを灯せるような造りが
残されている印象。
赤壁とスポットライトの演出によって彩られたドラマに、思わずシャッターを
切った1枚だ。
足達奈穂 Nao Ashidachi
ドイツ生まれ。海外転勤の多かった父に連れられ、幼少時代の多くを海外で過ごし、結婚後は夫の海外赴任に伴いオーストラリアへ。2018年よりシドニー在住。14年ごろから東京のストリート・スナップを撮り始め、写真家デビュー。東京の街を舞台にした写真集『boys in tokyo sentimental』を刊行中。現在、東京メトロ×AND STORYの地下鉄車内用広告写真を手掛けている
WEB: www.naoashidachi.com