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事業投資家ビザ–7月1日以降の変更について

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豪州ビザ最新事情
コロナ禍で影響を受けるポイント制技術移住ビザ

 以前から変更がささやかれていたサブクラス188・888(投資家・事業主)ビザですが、昨年末移民局より2021年7月からの改正点に関する発表がありました。

 現在、事業・投資家ビザの枠組みとして9つのストリームがありますが、今回提案されている改正で4つに減らされることとなります。そのため、少し煩雑であった事業・投資家ビザがすっきりとスリム化されることとなります。

 今回提案されている改正は新型コロナウイルスによる影響が生じる以前から検討されていたことですが、昨年来のコロナ禍によりオーストラリア政府にとっては経済復興が急務となり、事業・投資家ビザから得る恩恵を最大限に引き上げることを目的に以下の要点で変更すると発表されました(注:まだこれ以外の改正も予想されますが、発表されておりません)。

・4つのストリーム(Business Innovation、Entrepreneur、Investor and Significant Investor)
・暫定ビザ(サブクラス188)の有効期限を1年延長し5年のビザを発給
・Business Innovationストリームの暫定ビザ保持者:2年のビザ延長を可能とする
・Significant Investorストリームの暫定ビザ保持者:2年×2回のビザ延長を可能とする
・Business Innovationストリームの暫定ビザ保持者が永住ビザを申請するのに必要な事業資産を125万豪ドル(現在80万豪ドル)に上げ、かつ、年間の事業売上を75万豪ドル(現在50万豪ドル)に上げる
・Entrepreneurストリームの申請条件である指定のオーストラリア機関から受ける融資最低20万豪ドルを廃止し、指定する州・準州からの承認を得られることを条件とする

 政府は関係各所との話し合いを経て、今年初旬ごろまでに最終決定をしていく方針です。

 事業投資家ビザが初めて導入されて以降、ビザ発給部数は年間7260件でしたが、コロナ禍により昨年19-20年会計年度は6862件に減らされました。しかし、20-21年度は1万3500件と大幅に増やされたことから、政府の海外からの事業・投資家に対する期待度が伺えます。事業投資家ビザは、州政府によるスポンサーが必要となるビザですので、各州政府によって異なる審査基準、そして申請の受け入れ状況なども確認しながら手続きを進めていく必要があります。

アドバイザー

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清水 英樹

オーストラリアQLD州弁護士。在豪30年以上。地元大学卒業後、弁護士資格を取得。フェニックス・グループCEOとして傘下にあたる「フェニックス法律事務所」、ビザ移民コンサルティング「Goオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、交通事故ならびに労災を専門に扱う「Injury & Accident Lawyers」を経営

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