書家れんのつきいち年中行事
第151回 古川祭
北アルプスの山々に囲まれた岐阜県飛騨高山。江戸時代以来の城下町、商家町の町並みから“飛騨の小京都”と呼ばれます。その飛騨市古川町の気多若宮神社(アニメ映画『君の名は』の神社のモデル)では、毎年4月19、20日に「古川祭」が開催されます。この祭りは国の重要無形民俗文化財に指定されている他、ユネスコの無形文化遺産でもあります。
19日、闘鶏樂(とうけいらく)の鐘が鳴る神社でご分霊が神輿へ移されて御旅所まで行列します。その際に神輿を迎える露払いとして9台の「屋台(=山車)」が各々の街を曳行(えいこう)します。この屋台、元々江戸から入ったものを飛騨の匠がその技で高め、そこへ京都からからくり人形も加わって、絢爛豪華に発展しました。
子どもや女性と一緒に街を練り歩いた12町内の付け太鼓が祭り広場に集まり、数百人の男たちが祝いの唄を唱和すると「起し太鼓」が始まります。当番組が担ぐ大太鼓を乗せた櫓(やぐら)が動き出すと、付け太鼓たちがそれに続きます。大太鼓の櫓の最も近くを進むことが付け太鼓の名誉とされるため、深夜まで場所取りの激闘が繰り広げられます。
20日、神輿は巡行して夕刻には神社へ。屋台は取り決められた場所に曳(ひ)きそろえられ、辻々で青龍台、麒麟台のからくり、白虎台の子ども歌舞伎などが奉納されます。夜祭では屋台が提灯を灯しながら曳行。昼間とは違った表情で見ている人びとを魅了します。
このコラムの著者
れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。作品「ふるさと」が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。新元号「令和」揮毫(総領事館蔵)。豪五輪委員会で応援大書。書道教室運営。LINE stamp販売中。
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