クイーンズランド州の釣り情報 第169回
キャスト・ネットでエビ獲り
だんだんと水温が低下し始める時期になるとマングローブの浅い場所で育ったエビたちは産卵のために湾口や外洋近くに集団で移動を始めます。
この時期のエビは良く育っているので玉網ですくうエビ獲りファンの人や投網をキャストする人が大勢繰り出してきます。なお、QLD州で許可されている投網使用は、お隣のNSW州などでは禁止されていますので要注意です。
夜間には河口近くのごく浅い海にも回遊しています。夜間にライトを水面に照らすとエビの目が光に反射して光るのでそれを玉網ですくうエビ獲りも人気です。特に河口近くの浅い海(干潮時にひざくらいの水深)に藻が生えているような場所が狙い目になります。
やはりエビを一網打尽に捕るには投網が有効なのは言うまでもありませんが、投網をうまくキャストして大きく広げるにはそれなりの技術と体力が必要になります。網の広がるサイズが大きくなるほど難易度が上がり、網の裾に並んだオモリの数も円周に合わせて多くなるので重量が増え、体力の消耗も激しくなります。
この時期になるとエビたちが集団で移動する場所をめがけ、多くのボートが集まって投網漁を行う光景が見られます。エビは10リットルまで(家で冷凍保管する分も含めて)の規定があります。なぜかこのエビの時期のボート・ランプには投網漁に改造(船中からキャストし易いように)された専用ボートが連日見受けられますが、許可を受けた漁師以外はエビの売買は禁止されています。
さて、キャスト・ネットでおいしいエビでもとお考えの皆さんは、いきなり一網打尽を夢見て大きく広がる投網からスタートしようと思わないで小型か中型のサイズの投網から始めることをお勧めします。最近はフリスビーのような輪がついて初心者でも簡単にキャストできるものも売られていますので、それを使うことも良いかもしれません。
このコラムの著者
フィッシング・ライター:金園 泰秀
東京のIT関連会社のシドニー駐在中、オーストラリアの大自然に魅せられ役員職のサラリーマンから一転スピンアウトし、子供の頃からの趣味だった釣り
業界の世界に飛び込み、日本の釣り技術の紹介や当地の釣りを全世界に発信してきた。現在は趣味としての釣りやセーリングも楽しんでいる。