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読書の秋/オーストラリア紀伊國屋 トレンド・チェック

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読書好き集まれ!最新BOOKSトレンド・チェック 協力:オーストラリア紀伊國屋書店(Level 2, The Galeries, 500 George St., Sydney)

 本好きにとって、トレンドに取り残されてしまうのはつらいところ。本連載では、シドニーCBDに店を構え、KINOと親しまれるオーストラリア紀伊国屋書店協力の下、トレンド・キーワードと共に読み逃せない話題の3冊と、日本のトレンドをキャッチするための最新ランキングをご紹介していきます。

 今年の母の日は5月9日の日曜日。多くの方が日本にいる家族のことを思い、安全に日本に帰れる日が早く来て欲しいと思いを馳せているのではないでしょうか? 5月と言えば、子どもの日などイベントも盛りだくさんですね。そこで今月は大人でも楽しめる絵本をご紹介。子どもの頃には気付かなかった新たな感動、さまざまな経験を重ねきたからこそ心により深く響く言葉。そんな心に響く言葉に、気軽に出合えるのが絵本の良いところだと思います。

今、売れている本は? ベストセラー・ランキング(2021年3月1日~7日)

■文庫ベストセラー

1任侠浴場今野敏中央公論新社
2祈りのカルテ知念実希人KADOKAWA
3あきない世傳金と銀(10)高田郁角川春樹事務所
4砂の家堂場瞬一KADOKAWA
5長く高い壁 The Great Wall浅田次郎KADOKAWA

■新書ベストセラー

1スマホ脳アンデシュ・ハンセン/久山葉子新潮社
2歴史探偵忘れ残りの記半藤一利文藝春秋
3論語と算盤 現代語訳渋沢栄一/守屋淳筑摩書房
4人新世の「資本論」斎藤幸平集英社
5在宅ひとり死のススメ上野千鶴子(社会学)文藝春秋

今週のトレンド・キーワード「大人でも楽しめる絵本」

お母さんから生まれた全ての人へ

『おばあちゃんもこどもです』
いもとようこ
金の星社(価格:A$35.70<会員価格:A$32.13>)

 母の日に何をしたらいいか相談した孫うさぎたちに、お手紙書いたら……とおばあちゃんは教えてくれます。ところが孫たちが書いた手紙を読み上げると「私もお母さんの子どもだったんだ! お母さんに会いたいよー」とおばあちゃんは泣き出すのでした。今子ども、元子ども、お母さんの子どもだった全ての人に。

死の意味を優しく暖かく

『わすれられないおくりもの』
スザン・ヴァ-リ/小川仁央
評論社(価格:A$27.10<会員価格:A$24.39>)

 アナグマはもの知りで賢く、皆からとても頼りにされていた。ある冬の初め、アナグマは死んだ。かけがえのない友だちを失った悲しみで、皆はどうしていいか分からない……。友だちの素晴しさ、生きるための知恵や工夫を伝えあっていくことの大切さを語り、心に染みる感動を残す英国の名作絵本。

かこさとしさん最後の絵本

『みずとはなんじゃ?』
かこさとし/鈴木まもる
小峰書店(価格:A$37.90<会員価格:A$34.11>)

 あさおきて、かおをあらうみず。うがいをしたり、のんだりするみず。みずとは、いったいどんなものなのでしょうか?――。 暮らしの中の水を通して水の不思議な性質を知り、自然環境に目を向けるきっかけとなるような、科学する心を育む絵本。科学者でもあった絵本作家、かこさとしさんが手掛けた最後の絵本。

ランキングからPick up!

『祈りのカルテ』
知念実希人/KADOKAWA

 諏訪野良太は医科大学附属病院の研修医。臨床研修で内科、外科、小児科などを回っている。ある夜、昏睡状態で救急搬送された女性の腕に、元夫の名がやけどで刻まれていた。離婚以来、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているというが、良太は女性の態度と行動に違和感を覚える。なぜか毎月5日に退院できるよう入院していたのだ。5つの感動を収めた連作医療ミステリー。

KINOKUNIYA便り

 5月、秋が深まり良い季節になりました。今年の夏は天気が悪く、夏らしくない日が多かったので、秋はすっきり秋晴れで過ごしやすい季節になるといいですね。今月のお薦めは絵本の特集です。子どもと一緒に楽しむ本はもちろん、大人になってから素晴らしさに気付く愛に溢れた本もたくさんあります。なかなか日本に帰れない日が続くからこそ、絵本を通して日本を感じるのもいいかもしれませんね。

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