書家れんのつきいち年中行事
第153回 夏越(なごし)の祓(はらえ)
これは年に2度ある大祓のうちの1つで、“夏越の祓”で年の前半(大晦日の“年越しの祓”で年の後半)の心身の穢(けが)れや災厄の原因となる罪や過ちを清めます。また夏の水神様をお迎えする準備の儀式でもあります。
6月30日、神社の境内で注連縄(しめなわ)で作られた大きな輪をくぐったことがあるでしょう。あれは茅(ちがや)という植物で編まれていて、直径6尺4寸(約194㎝)もあるそうです。「茅の輪くぐり」といい、輪をくぐることで穢れや罪を祓います(くぐり方には神社ごとに作法があるようですので、確認が必要かもしれません)。
昔、北海の塔神武(むとうのかみ)が南海の女性に求婚に行く途中に日が暮れ、ある兄弟に一晩泊めてくれと頼みます。弟は裕福にもかかわらずこれを断りますが、兄の蘇民将来は貧しいながらも接待をしました。後に兄は再び訪ねてきた武塔神から礼として災厄を祓う茅の輪を授かり、無病息災で子々孫々まで繁栄しましたとさ、という神話が由来だそうです。
また形代(かたしろ)を使ってお祓いをするところもあります。人の形をした人形代に自らの罪や穢れなどを移して祓い清めたものを川や海に流したり、お焚きあげしたりします。最近はペット用の形代や、自動車用の車形代まであるそうです。
このコラムの著者
れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。作品「ふるさと」が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。新元号「令和」揮毫(総領事館蔵)。豪五輪委員会で応援大書。書道教室運営。LINE stamp販売中。
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