NSW州立美術館 ボランティアガイド便り
100周年を迎えるアーチボルド賞
(一般公開:6月5日~9月26日)
執筆者=ファーズみどり/日本語ガイド
今年で100年目を迎えるアーチボルド賞は、オーストラリアで最も古く権威ある肖像画公募展です。全国から多くの来場者がある人気の展覧会でもあり、メディアから熱く注目され、受賞者の発表は新聞やテレビでも大きく扱われます。
昨年は新型コロナ対策で日程が大幅に変更となりましたが、史上最高の1068点の応募から選ばれた55点が展示されました。最優秀賞に選ばれたのは、アボリジニ画家のビンセント・ナマジラ氏の作品で、アボリジニでAFLラグビー選手だったアダム・グッズ氏と手をつないでいる自画像でした。なんと99年目にして初めてアボリジニ画家が受賞したことが話題を呼びました。
さて、今年は一体誰が選ばれるのか、どんなことが話題になるのか、とても興味深いところです。風景画などのウィン展、宗教や思想のサルマン展も同じ会場でお楽しみください。
また、100周年を記念した特別展Archie100は、過去6000点以上の作品から厳選された100点あまりが展示されます。アーチボルド賞の歴史、賞にまつわるさまざまなエピソードの紹介と共に、100年の間に入選作品の作風や肖像画への取り組み方がどう変化していったのかもお楽しみ頂けると思います。
アーチボルド展は有料、時間予約制です。入場者数を制限しますので、ゆっくり閲覧できると好評です。最新情報はウェブでお確かめください。現在7月からの無料日本語ガイド・ツアーを調整中です。ツアーご参加の皆様とお話ができることを楽しみにしております。
開催場所
Art Gallery of NSW
ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館。常設展入場無料。本連載は美術館の日本語ボランティア・ガイドが担当。「件名:Japanese Tour」でEメールでの日本語での問い合わせ可。
Web: www.artgallery.nsw.gov.au
Email: volunteerg@ag.nsw.gov.au