第10回 北インドのチキン・カレー
南部に比べ、北インドのカレーは肉メインで、バターやクリーム、ギーなどの乳製品を多用。クリーミーかつ濃厚な味わいで、スパイスの使い方も独特です。
材料(8人分)
- 鶏もも肉……………………………. 800g
- クミン…………………………. 小さじ4杯
- カルダモン…………………….. 16粒ほど
- クローブ…………………………. 8粒ほど
- ジンジャー・パウダー………… 大さじ4杯
- ターメリック………………….. 大さじ6杯
- チリ・パウダー………………… 大さじ3杯
- 玉ネギ…………………………………. 6個
- 生姜………………………………….. 20g
- トマト………………………………. 大6個
- トマト・ピューレ……………………. 400g
- 塩……………………………………..適宜
- ガラムマサダ…………………. 小さじ4杯
- コリアンダー………………………….適宜
- カシューナッツ………………………適宜
- バスマティ・ライス……………………適宜
- ナン……………………………………適宜
作り方
- 鍋に油(大さじ6杯)を引き、クミン、カルダモン(包丁で砕く。種がインドらしい清涼感のある香りを出す)、クローブを入れ、弱火で炒める。
- インドの白米パスマティ・ライスを炊く。
- 鶏もも肉を一口大に切り、トマトをざく切りにする。
- 玉ネギを細めにスライスする。生姜をみじん切りにする。①の香りが出始めたら、生姜を投入し香りを出し、玉ネギも加えてかけ混ぜてから、丁寧にゆっくり中火で置いてからしんなりするように炒める。色が着いたら混ぜてひっくり返す。
- 茶色くなったら塩を3つまみ加え、鶏肉を投入して炒める。少し焼き色が付いたら、パウダー系のスパイス(ジンジャー・パウダー、ターメリック、チリ・パウダー)を加えて炒める。最後にトマトを加えてしんなりしたら、水をひたひたになる程度入れて火力を上げる。
- 沸騰したら弱火にし、15分ほど煮て肉に柔らかく火を通す。
- 隠し味としてトマト・ピューレを投入。煮詰めたら仕上げにガラムマサダを加えて味を整える。器にライスと共に盛り、ナン、コリアンダー、カシューナッツを添えて出来上がり。
食材選び&調理マル秘ポイント
- クミンとカルダモン、クローブは北インドのカレーの味の決め手。油に浸し、焦がさず弱火でゆっくり熱することで味と香りを抽出します。
- 玉ネギは少し茶色という色まで炒め、玉ネギの酸味と辛味を旨味と甘味に変えます。茶色過ぎると甘くなり過ぎます。この工程でスパイス、油、玉ネギを一体化した味わいにします。
- トマトからしっかりと旨味を抽出します。またトマトから水が出るので、それほど多くの水は必要ありません。
- トマト・ピューレは酸味で味を整えるための隠し味として使います。
- ガラムマサダは香り付けとして最後に。複雑で深みのある香りは北インドのカレーには欠かせません。
- 付け合わせのライータの作り方。グリーク・ヨーグルトに塩少々、チリ・パウダー、クミンを大さじ1杯、玉ネギのみじん切り、コリンアンダーのみじん切りを混ぜ合わせます。
シェフ紹介
伊藤尚文
NZの5つ星ホテルでワイン給仕担当後、2000年よりイタリアの名料理店やグランド・ホテルで研鑽。03年アメリカズ・カップでプラダ・チーム専属シェフ。07年に東京・赤坂で伊レストラン「グストエヴィーノ」開業。15年に来豪後、ケータリング・シェフとして各種パーティー対応。
Web: www.gvcatering.com