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ワインでフランスへ旅をしよう/幸せワイン・ガイド@オーストラリア

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幸せワイン・ガイド@オーストラリア
ワインでフランスへ旅をしよう

 7月は14日にフランスの革命記念日があることもあり、シドニーでもフランスに関するイベントが通常多く開かれる月ですね。ここ1年以上はコロナ禍で旅行はもとよりイベント開催もなかなか難しい時期が続きましたが、せめてワインだけでも、ヨーロッパの物を飲んで旅をした気分を味わってみてはいかがでしょう。

Photo by Boudewijn “Bo” Boer on Unsplash
Photo by Boudewijn “Bo” Boer on Unsplash

フランス・ワインを楽しみたい

 最近はオーストラリアでも、フランス・ワインの種類がかなり増えてきました。普段オーストラリア・ワインに馴染みがある皆さんは、フランス・ワインにどんなイメージを持たれていますか?

 オーストラリアのワインには、そのワインが「どの」ブドウ品種で作られ、「どこで」作られたものかが明記している物がほとんどですが、フランスの多くには、ブドウ品種が明記されていない物が多くあります。

「産地」で選ぶフランス・ワイン

 フランス・ワインの多くは、「どこで」作られているかにより、そのワインに使われている品種が前提として決まっています。これは「AOC」と呼ばれる「原産地呼称制度」という法律に則ったもので、例えばブルゴーニュで作られた赤ワインならピノ・ノワール、白ならシャルドネ、ボルドーの赤ならカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー、白ワインならソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンド、といった具合に、その産地をラベルに明記するためには、使用しても良いブドウ品種が産地ごとに細かく定められています。

 こういった規定以外の品種でワインを作ることが禁止されているわけではありませんが、その際、その産地名をラベルに記載できなくなります。

 例えば仮にボルドー地方で、ボルドーの定めるブドウ品種以外のブドウでワインを作ったとすると、そのワインは「ボルドー産」という記載をすることができず、代わりに「フランスのワイン」といったよりシンプルな記載にとどめなくてはいけなかったりします。

 近年、フランスでもこの規定の枠を超えてワイン造りに取り組む生産者が増えていますが、それでも基本的にフランス・ワインを選ぶ時には、その土地で主要となっている品種を事前に知っておくことが前提になっています。

 そんなわけで、フランス・ワインは「産地で選ぶ」のが基本です。全部とはいかなくてもフランスの産地と品種の組み合わせを覚えていれば、またワインを選ぶ楽しみも広がりますので、ぜひ少しだけがんばって覚えてみてください。

コート・デュ・ローヌ(Cote du Rhone)

 南ローヌ地方のグルナッシュ主体の赤ワインです。オーストラリアではGSM(グルナッシュ、シラーズ、ムーヴェドレ)と呼ばれるブレンドで、値段も手頃な物が多い赤ワインです。

エルミタージュ(Hermitage)

 シラーズがお好きな方は「エルミタージュ」を。フランスでは、シラーズはSyrah(シラー)と呼ばれています。オーストラリアの最高級ワインであるペンフォールズ・グランジも、シラーズ主体で作られていますが、実は1989年ヴィンテージまでは、グランジにも「Hermitage」とラベルに書かれていました。

ロワール(Loire)

 フランスのソーヴィニヨン・ブランはロワール地方が有名です。この地方の東部のサンセール(Sancerre)、プイイ・フュメ(Pouilly Fumé)が銘醸地として知られています。ニュージーランドのそれよりもミネラル感があり、青リンゴやグレープフルーツのような柑橘系のアロマが特徴です。
 フランス・ワインも、少しだけ品種と産地の組み合わせを覚えるだけで、ずいぶん身近になります。フランスのイベントが多い7月、これをきっかけに1つ2つ、フランスのワイン産地を覚えてみてくださいね。

お薦め料理:鴨、マッシュルームのソテー

Guigal Côtes-du-Rhône Rouge (Grenache Blend) $28

Guigal Côtes-du-Rhône Rouge (Grenache Blend) $28
Web: www.guigal.com/en

お薦め料理:ゴート・チーズ、グレープフルーツのサラダ

Domaine Christian Salmon Sancerre (Sauviginon Blanc) $44

Domaine Christian Salmon Sancerre (Sauviginon Blanc) $44
Web: www.sancerre-salmon.com

お薦め料理:生牡蠣、白身魚の刺し身

Domaine William Fevre Domaine Chablis(Chardonnay)$46

Domaine William Fevre Domaine Chablis(Chardonnay)$46
Web: www.williamfevre.fr

このコラムの著者

フロスト結子

フロスト結子

オーストラリアと日本でワイン業界に携わり10年以上。ワイン卸業社に勤務しながらフリーランスでもワイン専門通訳、翻訳、ライター、市場調査、イベントなど幅広くこなす。私生活ではマラソン・ランナー。世界最大のワイン教育機関WSETの最上位資格、WSET®︎Diploma in Wine & Spirits及び日本酒のAdvanced Certificateを取得。 Web: auswines.blog.jp

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