オーストラリア不動産の現状
豪州不動産18年ぶりの急騰時期の到来予測
このところ、新聞やテレビでは豪州不動産の話題で持ちきりですが、今回、不動産価格の急激な上昇予測が発表されています。豪テレビ局のチャンネル9の報道では、今年末までに価格は19%も上がると予測。この上昇率は実に18年ぶりとのことで、今年2月は過去17年間で最も価格が上がった月だったと、まさに先月の本コラムで紹介したばかりでした。コロナ禍の影響でいったんは経済の低迷が心配された豪州ですが、昨今の顕著な回復傾向と今年に入ってからの平均収入の増加も影響しています(8万9,500ドル/ABS政府統計局調べ)。
物件・地域差の大きい豪州不動産
今年に入り、確かに大きく価格上昇した地域、物件が存在しています。例えば、豪州最大手クラスのディベロッパーのある新築物件の平均価格は5月、16万4,000ドルも上昇しました。その後も市場に合わせた価格調整が行われ、更に上昇した実例もあります。しかし、それらの実情には大きな差が生じており、一概に全てが高騰した、高値になったというわけではありません。特に土地価格の上昇が激しい地域、水辺ビューの見える高級物件、人気のあるエリアで需要が高いケースなどにその価格上昇の傾向が顕著に表れています。
まだ未購入者にチャンスはあるのか?
もう購入できないほどの価格高騰ぶりなのかと心配になりますが、冷静に現状を客観視してみましょう。例えば、現在住んでいる物件が高騰し、購入時の2倍、10倍と思い掛けない担保価値を得て、その上昇した査定価格の担保を利用することでむしろ楽に購入が可能になったり、または、売却後に将来性が見込まれる物件を新たに手に入れる賢い資産家も多いのです。つまり、既に不動産を保有している人にとってはこの上昇は待ちに待った好機と言えるのです。
では、まだ不動産を保有していない方々にはそのチャンスはないのかというと、例えば90%の融資ができるディベロッパーが提供するベンダー・ファイナンスや、5%の頭金だけで不動産を購入できる政府の援助策などもあるため、「融資可否」次第と言えます。更に専門家に意見を聞きながら、まだ価格が高くない将来性のある物件を安全に購入することも可能です。
誰にとっても「住まい」は大事なもの。好みの住居や資産価値の高い不動産を手に入れるには、まずは準備から。堅実で慎重に現実的な計画を立てていきましょう。
このコラムの著者
鶴美枝
グローバル・インテリジェンス・マネージメント代表。創業2010年以来、豪州各地の優良不動産を厳選し、豪州及び日本在住のホーム・オーナー若しくは投資家の方々の購入をサポートし資産増幅、理想の住まいの確保に日々尽力中。日本と豪州にて法学部大学院卒業。豪州不動産フルライセンス保持