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分け合えば幸せ/福島先生の人生日々勉強

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福島先生の人生日々勉強
分け合えば幸せ

 先日、子どもたちと一緒に「世界名作劇場」の『小公女セーラ』を観ました。父の突然の死によって孤児となったセーラ。フランシス・ホジソン・バーネットの児童文学『小公女』を原作とした1985年に放送されたテレビ・アニメで、いじめや貧困など深いテーマを扱い、現代の子どもたちにも人気のある作品です。

 その第23話。セーラは、お仕置きでしばらく何も食べさせてもらえぬまま、雨の中をお使いに出ます。道の途中で4ペンス銀貨を拾ったセーラは、目の前のパン屋に客の落とし物ではないかと届けますが、「それはあんたに拾って欲しいってわざわざそこに落ちていたのさ。そのお金で何か買ってお上がり」と勧められます。セーラは断り、教会の司祭に届けますが、そこでも、「それは神様があなたのような心の美しい方にお授けになったのだ。それで何か買ってお食べなさい」と言われます。

 帰り道にセーラは、先ほどのパン屋の前で、傘も差さず裸足のまま中を覗いている空腹の少女アンヌを見つけます。セーラはパン屋に入り、温かいぶどうパン4つ(とおまけの1つ)を買い、4つをアンヌに渡して、おまけの1つだけを持って帰るのでした。その夜、セーラはその1つのパンをメイドのベッキーやねずみのメル一家と分け合います。セーラはとても満たされた思いでした。たとえわずかなパンでも、アンヌやねずみの一家、そしてベッキーと分け合えたことで、十分に幸せだったのです。

 アンヌはやりとりを見ていた親切なパン屋の夫婦に引き取られ、セーラの幸せは人から人へとつながり、広がっていきました。

 幸せは物ではありません。物は分ければ減っていきますが、幸せは心の状態です。幸せという心の状態は皆で分け合うほどに増えていきます。では具体的にどうすれば幸せが増えていくでしょう。ただそばにいるだけで幸せにできることもあります。具合が悪い人がいればさすってあげたり、困っている人がいれば手伝ってあげられます。寂しい時や落ち込んでいる時には、優しい言葉を掛けてもらうだけで、それが救いになることもあります。

 大事なのは笑顔。笑顔は人の心を和やかにする力があります。不思議なことに、笑顔は相手だけでなく、自分の心も幸せに導く作用があるのです。人に何かしてあげようと思う時点で私たちは既に幸せです。セーラのように、自分よりもまず他の人を思いやる。幸せを身近な人に捧げ、それがどんどん広がって、より多くの人が幸せになれたならすばらしいですね。

このコラムの著者

教育専門家 福島 摂子

教育専門家 福島 摂子

教育相談及び、海外帰国子女指導を主に手掛ける。1992年に来豪。社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命とした私塾『福島塾』を開き、シドニーを中心に指導を行う。2005年より拠点を日本へ移し、広く国内外の教育指導を行い、オーストラリア在住者への情報提供やカウンセリング指導も継続中。

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