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第156回 浮立/書家れんのつきいち年中行事

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書家れんのつきいち年中行事

第156回 浮立

上巳 © All rights reserved to RENCLUB
 ご機嫌いかがですか、れんです。

毎年9月の第2日曜日、佐賀県鹿島市七浦の音成(おとなし)・天子神社と母ヶ浦(ほうがうら)・鎮守神社では五穀豊穣・悪霊退散などを願う神事として「浮立(ふりゅう)」が奉納されます。両神社の面浮立(めんぶりゅう)は県の重要無形民俗文化財に(音成のものは国の選択無形民俗文化財にも)指定されています。

1530年に中国地方の大内氏が肥前を攻めた際、劣勢だった龍造寺(りゅうぞうじ)氏方の鍋島平右衛門が一族郎党に鬼の面と赤熊(しゃぐま)(ウシ科のヤクの尾毛を赤く染めたもの)を着けさせ、陣鉦、陣太鼓に笛を鳴らして夜襲を掛けて勝利し、そのままの恰好で勝利を祝って踊ったのが始まりだという説や、追儺(ついなん)と呼ばれる鬼追い祭りが基盤となっているという説などがあるようです。

般若(はんにゃ)面に似た面長の鬼面と赤熊を頭に着けた舞手は“鬼(かけうち)”と呼ばれ、大体男性20人~40人で踊ります。鬼の面には大きな鼻の穴が開いており、そこから外を見るように作られているので、面を着けた姿は鬼があごを突き出しているように見えます。

鉦を叩く“かねうち”は浴衣に花笠の女性で、2人1組で5組ほど。更に“太夫鼓打ち”の男性1人と羽織袴姿の男性数人による“笛吹”が加わります。

農耕に災害をもたらす悪の化身である「鬼」が神様との壮絶な戦いの末に敗れ、改心して神の使いとして里に下りて家々に幸福をもたらすという話「音成面浮立」に則って、現在でも神前での芸能を終えた鬼は地区の家々を回ります。

このコラムの著者

れん(書家/アーティスト)

れん(書家/アーティスト)

アーティストとして永住権取得。作品“ふるさと”が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。元号“令和” (総領事館蔵)、日立豪 “協創”揮毫。豪五輪委員会で応援大書。書道教室。LINE stamp販売中。
Web: renclub.net / Email: renclub@gmail.com / 動画: youtube.com/user/renclub

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