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そびえ立つ大岩、ザ・ナット/タスマニア巡り

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第11回 タスマニア巡り
そびえ立つ大岩、ザ・ナット

ハイフィールドから望むザ・ナットとスタンレーの町
ハイフィールドから望むザ・ナットとスタンレーの町

 北部の港町バーニーから海岸線を西に車で約1時間ほど走ると、突き出た半島の先、バス海峡に浮かぶようにそびえる大岩が見えてきます。タスマニアのエアーズ・ロックことザ・ナット。アボリジニの言葉「Munatrik」が由来と言われるこの大岩は、今では北西部随一の景勝地となっています。

 玄武岩でできたこの岩頸(がんけい)は、数千万年前の火山活動で形成されたと言われ、標高は143メートル。台形をしており、一旦登ってしまえば平坦ですが、一番の難所はそこまでの上り下り。海抜0メートルから一気に14 3メートルを登る坂道はかなりの急勾配かつコンクリートのため、濡れていると健脚でも不安になります。心配な人は頂上までのチェア・リフトもあります(片道10ドル、営業日時は要事前確認)。

 登り切ってしまえば、頂上部をグルリと回る約2キロの散策ルートを歩きながら、遮るものがない360度の眺望を楽しむことができます。途中のブッシュでは、昼間でもワラビーたちがたむろしていて、動物観察も満喫できます。

 ザ・ナットのふもとに広がるのは人口500人ほどのスタンレーの町。急角度をこのスタンレーの町まで舞い降りるように下る時の景色は何とも言えません。もともとはここから北西部のほぼ全てを牧畜に利用するために立ち上げられたヴァン・ディーメンズ・ランド・カンパニーの本拠地として移住が始まりました。町の入り口にあるハイフィールドの丘の上には、今でも当時の姿のまま、本社社屋が展示館として残っています。この丘の周辺にはスタンレーとザ・ナットを一望できる撮影スポットがいくつもあります。

 メイン・ストリートにはカラフルな建物が立ち並び可愛らしい昔ながらの趣を残し、港町としても機能していたため今でも多くの漁船があり、シーフードも楽しめます。オットセイ・クルーズや夕暮れに海辺に訪れるフェアリー・ペンギンなど、アトラクションも豊富。ぜひ、ゆっくり時間を取って訪れてみてください。

このコラムの著者

稲田 正人

稲田 正人

タスマニアのツアー・ガイド/コーディネーター。タスマニア大学で動物学・環境学を学んだ後、のんびりゆったりした生活感に魅せられ、そのままタスマニアに在住。現在は現地旅行会社AJPR(Web: www.ajpr.com.au)に勤務する傍ら、多過ぎる趣味に追われる日々を満喫中。

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