第3回
海を渡って、半島へ
Houghton Highway, Redcliffe
Text, Photo: タカ植松
今回は思い切って海を渡ってみた……。と書くと、「お、ついに遠出か」と思われるかもしれないが、さにあらず。今回訪れたレッドクリフは、ブリスベン中心部から小1時間、モートン湾に突き出た「半島」だ。
半島であるから、当然、陸続きだが、2つある主要ルートの1つは広大なモートン湾の中の小さなブランブル・ベイを突き抜けて走るホートン・ハイウェーという道路橋を渡る。この橋の上を車で走ると、何とも心地が良く、なぜだか旅情を掻き立てられる。
橋の上で車を走らす眼前に広がる景色が、これまたなかなか絵になるのだが、これも前々回のストーリ-・ブリッジ同様に、運転していると写真が撮れない……ということで、今回は、橋の袂(たもと)に車を停めて写真を撮ってみた。
手前の橋桁は、1935年開通のかつての道路橋ホルニブルック・ブリッジの名残り。筆者がブリスベンに来た当初は、この橋も歩行者と自転車専用として現役で、奥の橋の内の手前の橋が全ての車の往来をさばいていた。2010年、奥の新しい橋が開通してからは、元々の橋が半島に向かう車専用、新設の橋が半島から戻る車と歩行者、自転車を一気に引き受けた。その一時的に全豪最長を誇った橋に役目を譲ったホルニブルック・ブリッジは、静かにその役目を終えた。
ペリカンが舞う海辺の町レッドクリフは、あのビージーズを育んだことでも知られる。ブリスベンの北の外れの半島、ふらりと海を渡って出掛けてみてはいかがだろうか。