吉住京子のHappy Richビジネス・オーナー講座 第5回
買いたくなるセールス術
「セールスが下手なんです」という意見をよく聞きます。サービスをしたり商品作りが得意でも、販売には別のスキルが必要になります。ではどのように顧客の心をつかんでセールスすれば良いのか……。ずばり、コツがあります。
まず人間の心理を理解しましょう。川の流れのように、人間の思考と行動にも流れがあります。この流れに上手に乗ってセールスすることが肝要です。
インターネットの広告を見て衣服を買ったり、テレビのコマーシャルで新しく始まる番組に興味を持ったりしますよね。まず、1)興味を沸かせ、そして、2)欲求をかき立たせ、最終的に3)購入に至らせる、という極めてシンプルな流れが大切になります。
恋愛も同じで、最初は友達から、それからもっと仲良くなって彼氏・彼女になり、そして結婚に至る。最初から「結婚してください!」と言われても引いてしまうものです。セールスも同様に、段階を経て最終ゴールへ導きます。
セールスの流れとしては、段階によってするべき行動が違います。まず、興味を沸かせ、見込み客を獲得します。次にデータベース作りのために登録を勧めたり、「リターゲティング」して広告を複数回見てもらうことが大切です。そして、購入の欲求が出てきたところで、初めてサービスや商品をオファーします。
購入しようとカートに入れてもまだ迷っている、または何らかの用事が入って購入を完了せずに放置する、ということもあります。その場合は購入にたどり着くまでのフォローアップが必要です。「カートに商品が入ったままで購入が完了していませんよ」と、お知らせが来て購入に踏み切ったという人は多いはずです。
また、新しい顧客を獲得するよりも既存顧客に対してセールスする方が容易ですので、こちらも「アップセル」「クロスセル」「ダウンセル」を駆使して頻繁にフォローアップします。
消費者心理を想像した広告内容も大切です。皆さんも購入時は、サービスや商品の価格、バリュー、品質などいろいろ考慮しますよね。宣伝文句も「Aを97ドルで販売中」とダイレクトに伝えるだけでなく、「メリットや特典の提示」「分割払い」「返金などのリスク回避」「限定商品」などを盛り込んでセールスします。
「Aに加えボーナスにBまで付いて120ドルのところを97ドルに! 更に今なら4回分割払いも可。気に入らない場合は全て返金致します」
消費者心理をくすぐるように、リスクを下げ、価値を上げるよう心掛けましょう。
このコラムの著者
吉住京子
「Happy Rich」オンライン・サロン主催。さくらパートナーズ代表。ビジネス育成サポーターとして活動。ファイナンシャル・アドバイザー、ビジネス・コンサルタント、ライフ・コーチとして長年培った知識と経験を生かしグローバルに活躍する起業家やその卵たちを内外あらゆる方向から育成・サポート。