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豪州ビザ最新情報/ビザ申請の現状

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豪州ビザ最新情報

ビザ申請の現状

今月は、Department of Home Affairsが用意した2019年度の移民統計レポートを基に、パートナー・ビザと商用ビザについて、2020年初のビザ情報をお送りしたいと思います。

パートナー・ビザ

2019年度のパートナー・ビザの認可者数は、3万9,918人でした。それに加えて、9万件近いパートナー・ビザの申請が19年度に提出されたことにより、認可者数は今年度以降、莫大に増加するのではないかと思われます。しかしながら、審査期間が2年近くに延びていることと、政府が今年度の移民受け入れ数を16万人に減らすという政策を発表したこともあり、今後こうした審査待ちのパートナー・ビザの申請数は減るどころか、増加する傾向にあると考えられます。

パートナー・ビザ申請が却下されたために、不服申し立ての手続きをAdministrative Appeal Tribunal(AAT)に提出した申請数が19年3月の時点で5,396件です。そして、それまでに提出されたパートナー・ビザ申請の不服申し立てがひっくり返るケースが5割以上となっています。すなわち、移民局の出した判断のうちの半分が覆るという、なんとも移民局には不名誉な記録を出し続けています。こうした高い確率で判断が覆る可能性、申請費用の劇的な増額、長期にわたる審査期間に対して、人道的な観点からも疑問符を打つ声が上がっているのは、致し方ないのかもしれません。

商用ビザ

パートナー・ビザ申請の増加とは反対に、雇用主スポンサー・ビザに関しては18年度に5万4,673件あった審査待ち申請案件数が、19年度には29,513件まで減少。パートナー・ビザとはまるっきり反対の結果となりました。景気活性化のためにも、ビザ発行数4万件を目途にしたいところではあるそうですが、その数字とは少し程遠い認可数となっています。

サブクラス482ビザなどの短期商用ビザにおいて、勤務先となる州のトップ3はNSW州(46.2%)、VIC州(27.3%)、それからQLD州(10.9%)となりました。8割近くの短期商用ビザ申請者は、この3州にかなり偏って勤務しているということになります。

短期商用ビザ申請者の出身国トップ3は、インド(27.3%)、英国(13.9%)、そしてフィリピン(6.7%)の順位です。ちなみに、中国(4.8%)は4位でした。この4カ国だけで、海外出身の短期労働者の半分が賄われているというのが、現在のオーストラリアの労働市場の実態で、単純にインド人だけで、海外労働者の4分の1を担っています。中華系の移民の増加が目立ったここ数年でしたが、時代はインドにシフトしているようです。


清水英樹(Hideki Shimizu)
QLD州弁護士、ビザ・移民法政府公認アドバイザー(MARN9900985)。「フェニックス法律事務所」筆頭弁護士所長の他、移民ビザ専門コンサルティング会社「GOオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、交通事故、労災を専門に扱う「Injury & Accident Lawyers」を経営する

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