不動産のプロに聞く 豪州不動産事情
第93回
豪住宅価格は回復傾向
オーストラリアの住宅価格は緩やかに回復し続けており、コアロジック社(CoreLogic)の全国住宅価格指数では、2020年1月は0.9パーセント増加、年間成長率は4.1パーセントとなりました。また、住宅価格は南オーストラリア以外の全ての都市で上昇し、全国的に昨年6月の低迷から6.7パーセントの回復を遂げました。指数は17年10月のピークと比較し、いまだ2.2パーセント低く、今後も順調に回復をしていくと見られます。
5年半もの間低迷していたパースの住宅価格もゆっくりと回復に向かい、四半期の上昇率は0.4パーセントとなりました。20年2月に予定されていた、オーストラリア準備銀行による金利の決定は、現在のところ0.75パーセントのまま保留となりましたが、AMPエコノミストやキャピタル・エコノミクスなどの調査会社は、金利は0.5パーセントもしくは0.25パーセントにまで引き下げられる可能性がある、またオーストラリア準備銀行は20年に金利引き下げを2回実施するのではないかと予想しています。
また、CBAエコノミクスは、20年に全国の住宅価格が6パーセント上昇する、ANZは平均8パーセントの上昇を見込む、などと予想を修正しています。住宅価格の中央値については、ドメインのエコノミストによると、20年にメルボルンは97万ドルに、シドニーでは125万ドルに達すると予想しています。20年は建築活動が鈍化し、金利も低くなる影響で住宅価格が上昇するのではないかと予測がなされているためです。
(参考:ABC News、Smart Property Investment、Domain Research House)
スターツ・インターナショナル・オーストラリア
代表取締役
寺田環
NSW州、VIC州不動産業者免許(フル・ライセンス)所持