クイーンズランド州の釣り情報
フィッシング・ライター:金園泰秀(YASU=ブリスベン在住)
第163回
シマアジ(Trevally)の仲間たち
シマアジという魚の仲間(アジ科)は全オーストラリアで約50種ほど生息しています。日本で高級魚扱いのシマアジは本州から南部に生息し、オーストラリアでは「White trevally」または「Silver trevally」と呼ばれ、QLD州南部からNSW州、ニュージーランドなどにも生息しています。
幸いなことにオーストラリアでは、全般的にシマアジ系の魚はドライ(パサついて)でストロング(クセがある)な味覚と言われ、それほど人気の水産資源ではないせいかよく釣れる魚です。暖かい北部QLD州では南方系や熱帯系のギンガメアジの仲間が主流で、釣りの世界では有名なゲーム·フィッシュのターゲットであるGT(ジャイアント·トレバリー、和名ロウニンアジ)やオニヒラアジ、そして青い模様が鮮やかなカスミアジなどが知られています。その他ブラックやシルバー、ブルーフィン、ビッグアイ、ゴールデンなど釣れるトレバリーの種類も豊富です。ただ大きい固体には、シガテラ毒の危険性があるようです。
トレバリー類は、丸みのある魚体を持ち水の抵抗を受けやすく、引きの強いゲーム·フィッシュとして親しまれ、当地ではキャッチ&リリースされることが多いせいか、QLD州では持ち帰りできる魚の大きさに制限はありません。ただアジの仲間(トレバリーはアジ科)は活き餌として20匹までの数量制限はあります(アジ科のカンパチやヒラマサなどにはサイズ、数量制限が別途あります)。
一般的に沿岸で釣れるシマアジの仲間のサイズは30センチ前後のものが多く、そのサイズのものはクセが少ないので刺身にはおいしいですが、刺身以外には脂の乗りがいまいちなので特にそれほどおいしいとは言えないかも知れません。
水温がやや高めのQLD州南東部でもマアジが釣れますが、小アジが多く大きなマアジはあまり釣れませんが、ブリスベン湾やサンシャイン·コースト、ゴールドコーストの磯や海底に根がある浅いポイントでは、マアジとシマアジに混じって、その中間のような容姿の20~30センチの魚がよく釣れます(イトヒラアジと呼んでいますが定かではありません)。このシマアジの仲間は、少し脂が乗ったアジのような食感とシマアジの上品さを持っているので大きめなサイズは刺身やタタキ、小ぶりなサイズは開いて一夜干しなどにして重宝しています。
日本で育った我々には、味が良くてアジと呼ばれるアジ科の魚たちの刺身は、いつ食べてもおいしいものです。
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