不動産のプロに聞く 豪州不動産事情
第94回
新型コロナウイルスと不動産市場し
新型コロナウイルスのパンデミックにより、不動産市場がどんな影響を受けるのかは非常に深刻な問題です。RBAは今回の影響を受けて、記録的かつ最低水準である0.25%への利下げを実施しました。これでこの10カ月間で計5回の利下げを行ったことになります。他の中央銀行が利下げを行っていく中、豪ドルが上昇しないためには、RBAも金利を下げる必要があります。
現状、新型コロナウイルスが経済や不動産市場にどれほど大きな影響を与えることになるかは分かりませんが、NABなど変わらず住宅市場が上昇すると予測している銀行もあります。NABによると、新型コロナウイルスが2020年末まで変わらず存在し続けるのであれば経済的影響があるかもしれませんが、その可能性は低いと現段階では予測しています。また、今日の超低金利は不動産市場の大きな牽引力になる可能性があるとも述べています。新型コロナウイルスの影響により、不動産市場と建設業界には一時的に影響があると考えられますが、その影響は今後の企業の倒産や失業率または時短勤務による給料の減額の程度に影響度も変わってくることでしょう。経済が回復すれば、それに伴い不動産市況も回復していくと予想されています。
歴史的豪ドル安や不動産価格の上昇が止まる可能性のある今、失業や給料の減額などの影響が無い人にとっては、底を見極め、購入に走れば大きなメリットが得られる可能性があるタイミングであるとも言えるでしょう。(参考:Domain, RBA)
スターツ・インターナショナル・オーストラリア
代表取締役
寺田環
NSW州、VIC州不動産業者免許(フル・ライセンス)所持