輝く花 太陽のように
こんにちは。いけばな講師をしています、Yoshimiです。夏の盛りから晩夏にかけて太陽のような大輪の花を咲かせる植物と言えば、そう、向日葵(ひまわり)です。英語を始めフランス語、ドイツ語などのヨーロッパの言語にも太陽を表す言葉が入っていることからも、黄色く輝く花が太陽のようであるという印象は世界各国共通のようです。暑かった夏が落ち着き、野草の間を風がすり抜け、涼しげな秋を感じるころまで向日葵はまだ輝いています。
話がそれますが、私のお花の生徒さんとそのお子さんたちにお花の名前が付いていることが多いことに驚きます。華ちゃんに花ちゃん、葵ちゃんに桜ちゃん、4姉弟に蘭が付いていたり、百合や桃そして向日葵。きっと花の持つ独特な生命力や、特徴的なたたずまいなどに想いを寄せて、名付けられたのではないかと思います。内面から美しくあって欲しい、花のように強くなって欲しい、個性豊かに伸び伸びと成長して欲しいという願いが込められた名前はいとおしく感じます。
太陽が燦々(さんさん)と照らすように、まるで太陽神の化身かと思わせるような向日葵の花は、さてどうやって生けようかしらと、いつもワクワクさせてくれます。ゴッホの『ひまわり』のように数本以上の向日葵を生けるなら、それ相応に陶器の重厚な花器が必要なのかと思いますし、一輪だけでも華やかさを出せてアクセントになります。全ての花が様子の良いように正面を向いているものばかりではありませんので、角度を変えたり、長さを調節したりして、下向きにならないようバランスを取りながら工夫していただきたいと思います。葉は水あげが良くないので適度に整理するか、思い切って取り除きましょう。
いつもにっこり笑ってくれているような花、向日葵には人を元気にしてくれる力が溢れています。また生花(せいか)に合わせて、乾いて力強く変化した向日葵を使って、いけばなを身近な芸術として楽しんでいただけたらと思います。独創性溢れるものは時を経ても色褪せることはなく、輝く太陽のように清快です。
Yoshimi
草月流華道講師。幼少の頃から花を嗜む。学生の頃、本格的に活動を始め大阪高島屋に出展。兵庫県議会公館迎え花を担当。シンガポール駐在中に趣味の油絵といけばな展をシンガポール高島屋で行う。現在はシドニーのセント・アイビスのスタジオで華道教室フラワー・イン・ライフ(www.7elements.me)を開講