書家れんのつきいち年中行事
第147回 伊勢大神楽
ご機嫌いかがですか、れんです。
さて、三重県にある伊勢神宮は正式には「神宮」と言い、皇室の先祖神である天照大御神を祀る内宮を始めとする125社の宮社があります。
一般人の参宮は鎌倉時代以降に行われるようになり、江戸時代中期以降は町民の間で伊勢神宮への旅が盛んになりました。お蔭かげ参りとも言います。
しかし皆が皆気軽に旅に出られるわけではありません。そこで獅子舞を舞いながら諸国を巡って神札(以前は伊勢神宮、現在は伊勢大神楽の札)を配布して回る神楽師たちが現れました。伊勢大神楽と言います。
起源は諸説ありますが450~600年の歴史があると言われています。大神楽師達は出向いた先の各戸での祈祷の際には獅子舞を舞い、決まった村落の鎮守社境内では全部で17ある総舞と呼ばれる芸能を披露しました。1981年には国の重要無形民俗文化財に指定されています。
伊勢大神楽講社は三重県桑名市の増田神社にあります。各地を回壇した5組の家元(山本源太夫家、森本忠太夫家、山本勘太夫家、加藤菊太夫家、石川源太夫社中)が毎年12月23日にそこで一堂に会します。翌24日には境内に大夫以下構成員がそろって盛大な総舞を行います(今年は中止)。
伊勢大神楽は各地の村落の神事や祭事と古くから深い結び付きを持っています。そのため家元が廃業して大神楽達の回壇が途絶えた地域では村人たち自身が神楽を舞うなどして地域の祭に姿を変えて伝承されています。
このコラムの著者
れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。作品「ふるさと」が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。新元号「令和」揮毫(総領事館蔵)。豪五輪委員会で応援大書。書道教室運営。LINE stamp販売中。
Web: renclub.net / Email: renclub@gmail.com / 動画: youtube.com/user/renclub