オーストラリアで夢のマイホーム計画
第127回 どうなる? 2019年の住宅マーケット
皆様、Happy Chinese New Year! 今年の干支は十二支の一番最後である亥年です。インターネットで調べてみると、亥年は新たな命が種子の中に閉じ込められた状態、次の始まりに向けて新たなエネルギーを蓄える年という意味があるそうです。
バブルのような物件価格の高騰化が大幅に進んだ後に、2018年は銀行の規制が厳しくなり、シドニーやメルボルンの物件価格が8~9パーセント下落しています。
筆者が在住するシドニーのウォーライ・クリーク駅周辺では、年末年始の休みの間も関係なく、忙しく新しいユニットの建築工事が進んでいました。19年にオフ・ザ・プランの完成予定が迫っている物も多くあり、オーストラリアでの物件が供給過剰になる危険性が昨年から専門家の間で話されています。
昨年8月に金融・不動産系情報サービス会社コアロジック(CoreLogic)による「Core Logic’s Settlement Risk Data」が出した数字によると、19年に新築完成予定のユニット物件は全国で9万4,471件、20年までであれば25万1,751件とあります。
供給過剰となると必然的に物件価格の下落が予測されることとなります。家屋査定の結果が購入時の価格よりも下がり、銀行からの融資も厳しいとなると、オフ・ザ・プランの物件を売却せざるを得ないというケースも今後出てくることでしょう。
そうなれば、更なる価格下落が起こる可能性も否めません。現状が良い機会だとして購入を考える投資家たちもいますし、もう少し待った方が良いのではないかと様子見をしている人たちも筆者の周囲にいます。
19年の住宅マーケットの行方は、厳しくなった銀行の規制が緩和されるのか、更に厳しくなるのか、もしくは亥年の意味のように、次の始まりに向けてエネルギーを蓄える年となるのでしょうか。そろそろ長期休みから戻ってきた専門家たちが、また今年の予測を話し始めるのでしっかりと情報収集していきたいと思います。
XL Group
住宅ローン・コンサルタント(MFAA正式会員)
Yon