クイーンズランド州の釣り情報
フィッシング・ライター:金園泰秀(YASU=ブリスベン在住)
第151回
コビアという名の魚
オーストラリアでは「コビア」「ブラック・キング・フィッシュ」と呼ばれ、和名では「スギ」と呼ばれる魚をご存知でしょうか。一見すると大型のコバンザメに容姿がそっくりで、水面まで釣り上げて魚体を見た時にサメかと一瞬勘違いしてしまう釣り人が多くいます。
回転ずし店などでも食べられる「クロカンパチ」という名の高級な白身魚のすしネタを好きな人は多いと思います。クロカンパチは、台湾や沖縄辺りで養殖したスギを、味や切り身の色がカンパチに似ていることから黒と言葉を足し商品名にした物と言われています。
この魚は2mぐらいまで成長し、QLD州全域の浅い沿岸部に生息しているため磯釣りの対象魚ともなっています。ただ、平均でも1mを超す大型魚でファイトも強いので、釣り道具にはそれなりの物を準備しなければなりません。
ブリスベンでは、湾内に点在するビーコンと呼ばれる船舶標識塔の近くを泳いでいる小アジやへーリングなどの小魚を狙って回遊していて、サワラ狙いの外道魚としてよくヒットしてくる魚としてその味覚と共に人気があります。サワラ釣りの外道魚の代表格である強い引きを持つサメとのファイトに辟易した後で、水面に顔を出したのがコビアだと分かり歓声を上げるボート・アングラーの喜ぶ姿を目にすることも珍しくありません。
ゴールドコ-ストやサンシャイン・コーストの沿岸では、浅い場所にある岩礁根の周りを回遊しているアジやサバなどの群れと一緒にいることが多く、アジやサバをサビキで釣り上げてそれをエサにして狙うのがセオリーとなっています。今の季節はコビアの他に大型のジャイアント・トレバリーやキング・フィッシュも顔を出してくるので予断を許しません。タックルの点検もまめに行う必要があります。
なお、QLD州では全長75㎝以上を2匹まで持ち帰り可能という規制があります。釣れたらすぐに活き締めして、おいしいクロカンパチの刺し身を堪能してください。
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