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2019年4月 メルボルン/ローカル・コミュニティー・ニュース

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工場跡地を水素供給基地に

豪トヨタ、2020年オープンへ

トヨタ・オーストラリアがアルトナ工場跡地に建設する水素ステーションの完成予想図(Photo: Toyota Australia)
トヨタ・オーストラリアがアルトナ工場跡地に建設する水素ステーションの完成予想図(Photo: Toyota Australia)

トヨタ自動車の現地法人、トヨタ・オーストラリア(本社ポート・メルボルン)は3月19日、VIC州で初となる燃料電池車向け水素供給の拠点をメルボルンに建設すると発表した。2017年末に完成車の製造を終えた同社アルトナ工場(メルボルン南西郊外)の一角に、水素を製造する電気分解装置、水素ステーション、水素エネルギーの普及を促進するための教育施設を整備する。

総費用740万ドルのうちトヨタ・オーストラリアが430万ドル、連邦政府の豪再生エネルギー庁(ARENA)が310万ドルを投資する。今年中に着工し、教育施設は今年12月までに、電気分解装置と水素ステーションは20年後期までにオープンする。

次世代車の本命となるか

有力な次世代車として期待されている燃料電池車は、水素から取り出した電気でモーターを駆動して走る。排出するのは水だけで、走行時に限れば温室効果ガスや大気汚染物質を全く出さない。資源量に限界がある化石燃料と違い、水素はさまざまな原料から取り出せるという利点もある。

現時点では、液化天然ガス(LNG)などの化石燃料を改質して水素を製造する方法が一般的だ。世界最大のLNG輸出国となった豪州では、水素エネルギーの普及を念頭に、水素を有力な輸出商品に育てようという動きも出ている。

しかし、資源量が豊富な水を原料に、再生可能エネルギーだけで作った電力で電気分解し、水素を取り出すことも技術的には可能だ。将来的にこの方法が低コストで可能になれば、供給網の全行程を通してゼロ・エミッション(排出物ゼロ)が実現できる。

一方、次世代車で先行している電気自動車は、充電に時間が掛かり、航続距離も短いという難点がある。その点、燃料電池車は水素ガスの充填(じゅうてん)に掛かる時間が数分と短く、航続距離もガソリン車とほとんど変わらないという特長がある。

インフラ整備に課題

ただ、密度の低い水素を貯蔵するには、特殊な高圧タンクに入れるか超低温で液体化する必要がある。貯蔵や運搬、充填にコストが掛かるため、インフラの整備が課題となっている。現時点では、電気自動車と比較して車体価格が高いこともネックだ。

トヨタ・オーストラリアのマット・キャラコー会長兼最高経営責任者(CEO)は「現在、水素供給の拡大を成功させる上で、最大の要因となっているのはインフラ不足だ。トヨタはゼロ・エミッション社会の早期実現に向けて、一層力を入れていく」と述べた。

トヨタ自動車は、14年に世界初の量産型燃料電池車「ミライ」を発売し、水素エネルギーの普及に注力。豪州市場でも、政府や自治体、企業と連携して水素インフラの整備に取り組んでいる。

トヨタ・オーストラリアは昨年11月、アルトナがあるホブソンズ・ベイ市にミライ3台を貸し出す実証実験を開始。今年2月には、VIC州の大手電力会社オーズネット・サービスなどにミライ2台を貸与すると発表している。


熊本地震のチャリティー・コンサート
和太鼓りんどう

メルボルンで活動している和太鼓りんどう
メルボルンで活動している和太鼓りんどう

メルボルンの和太鼓グループ「和太鼓りんどう」は4月14日、メルボルン市内の教会で、熊本地震の被災者を支援するチャリティー・コンサートを開く。メルボルン熊本県人会が協力する。和太鼓りんどうの他に沖縄音楽のバンド「いちまでぃん」、津軽三味線の只野徳子さんらも出演する。入場料は10ドル。収益金の全額をくまもと城下町復興基金に寄付する。

■和太鼓りんどう「熊本地震チャリティー・コンサート」
日時:4月14日(日)3PM~
場所:St. Philip’s Anglican Church(146-148 Hoddle St., Abbotsford VIC)
料金:$10
Tel: 0421-307-236
Email: toshi@wadaikorindo.com(問い合わせ:坂本敏範さん)


教科書無償配布、4月15日締め切り

在メルボルン日本国総領事館は現在、平成31年度(2019年)の日本の教科書(小学校下巻)の無償配布の申し込みを受け付けている。希望者は4月15日午後5時までに、同総領事館のウェブサイトからオンラインで申し込む。対象は、日本国籍を保持し、VIC州、SA州、TAS州に長期滞在(滞在予定が1年未満の人を除く)している義務教育年齢の児童・生徒。今回の下巻の申し込みは小学生のみ(中学生は下巻がない)となっている。

なお、メルボルン日本人学校、メルボルン国際日本語学校、サンドリンガム・メルボルン補習校、アデレード日本語補習授業校に在籍している人は、学校から配布されるため、申し込む必要はない。

■教科書無償配布(小学校下巻)
Web: https://www.deliver.mofa.go.jp/m?f=1843(申し込みフォーム)
Email: japanese-consulate@mb.mofa.go.jp(問い合わせ)


左からサックス氏、大隈氏、バン・デン・バーグ氏、ゲイヤー氏、中氏、クラッグ氏
左からサックス氏、大隈氏、バン・デン・バーグ氏、ゲイヤー氏、中氏、クラッグ氏

日本空手協会のセミナー盛況
メルボルンで70人以上が参加

今年で5周年を迎える日本空手協会のオーストラリア・セミナーが3月、メルボルンとシドニー、QLD州マッカイの3カ所で開催され、合計約200人が参加した。今回は同月11~12日にメルボルンで行われたセミナーの様子をお届けする(リポート=野別まゆみ)。


緊張と期待に胸を膨らませてセミナーに臨むオーストラリア人参加者たち。会場となったジーサック(GESAC/Glen Eira Sports and Aquatic Centre)の入り口前では、日本から毎年来豪しているおなじみの師範たちに群がり、話が弾む。

指導に当たったのは、日本空手協会の総本部で師範を務める中達也師範7段と、中氏に師事し「笑顔の空手家」と呼ばれている同じく総本部師範の大隈広一郎師範6段。

70人以上の参加者は、黄色帯から黒帯まで技術や人種、年齢もさまざま。ただし、そのほとんどが指導者や黒帯、茶帯という先輩格だ。メルボルン代表のキース・ゲイヤー氏やロブ・サックス氏と一緒に、シドニーでセミナーを引き継ぐジェフ・クラッグ氏やマッケイのルティエ・バン・デン・バーグ氏らも、各道場の先生として初日のメルボルンで一緒に汗を流した。

以下、先生方のコメントを紹介しよう。

中師範

「この時間帯にこれだけの人数がそろうということは、皆がいかに熱心かが分かる。皆とは30年の付き合い。基本はしっかりしているが、崩れているところもあるので、基本の大切なところを再確認して稽古を続けてもらいたい。『楽しく笑顔で』をモットーに指導していきたい」

大隈師範

「2014年から毎年来ているが、その都度空手の中で大事な考え方を教えている。今日は上体と下体、床とのつながり方について教えた」

シドニーでセミナーを引継ぐジェフ・クラッグ氏

「今日のセミナーはすばらしかった。多くを学んだ。空手はただ突いたり、蹴ったりするだけなのではないということ。全ての動きは体から。その大切な部分を教えてもらった」

マッカイでセミナーを開催するルティエ・バン・デン・バーグ氏

「常にインスピレーションを受ける。いつもそうだが、すばらしかったし、たくさん学べた。QLD州の小さな町に中先生と大隈先生のような方々を迎えるのは大変光栄だ」

メルボルンのキース・ゲイヤー氏とロブ・サックス氏

「新しく学んだことは、余分な動きをせず、体の重みを効果的に移動に使うという点。単純でありながら普通は公にされないような、秘技とも言えることも教えてくれた」

内容はかなり高度なものも多く、若年の参加者たちの中には付いていくのが大変そうな技などもあったが、終始笑顔の指導者に導かれ、多くを学んだ様子。最初に技の説明があり、簡単なデモストレーション、続いて号令に合わせた練習、そして実践と休みなくセミナーは続く。スピードを上げることによって見えてくる無駄な力や、間違った動き。そこを中師範や大隈師範が目敏く見つけ、直していく。

2人が解説した丹田の力の入れ方や適切な重心移動を頭では理解しながら、なかなか自分の体を使って技として体現できない参加者。2人は彼らを観察しながら、忍耐強く、より分かりやすい説明方法を考えて指導していく。厳しい指導の中にも、注ぎ続ける温かな視線と心和む笑顔。これこそが、皆の心をつかむ技と言える。

黙想で始まり黙想で終わった講習会。元気の良い「押忍」のあいさつや気合いで引き締まったメルボルン・セミナーは、参加者に新しい気付きと、これからの練習課題を与えたようだった。

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