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給料アップ以外の方法で従業員の離職率を抑えたい。いい保険アレンジはありますか?

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保険

Q

日本同様、オーストラリアでもなかなか従業員の給料のベース・アップを提供するのが容易ではない状況です。社員の会社への忠誠心を上げて何とか離職率を低い水準に抑えるために、給料以外の福利厚生制度の充実を検討しています。そうしたケースにおいて、何か有用な保険アレンジはありますか。(38歳男性=人事担当)

A

昨今、多くの企業が従業員の経済的な健全性(Financial Wellbeing)の重要度に注目しており、それを支援するためのさまざまな対策を講じています。その対策の1つが所得保障保険(Salary Continuance Insurance)です。これは会社単位で保険を手配し、病気やけがで一時的に働けなくなった従業員に対するサポートを提供するものです。

言わずもがなですが、同保険をアレンジすることは従業員に対するベネフィットとしては、非常に明確です。けがや病気で仕事ができない間であっても、一定の収入を保証することが可能です。併せて、それと同時に雇用主に対するベネフィットも見逃せません。まず、第一に保険料は一般的に課税控除が可能であり、FBT(Fringe Benefits Tax)の課税対象にもなりません。更に同保険は、会社の人事部が休業中の従業員に対して備蓄金を計上することの代替として機能させることも可能です。

しかし、現状では多くの場合、このような明確な利点があるにもかかわらず、同保険は退職年金(スーパーアニューション)とセットになった標準的なパッケージで手配されることが多く、昨今の状況においては金額が不十分なことも多々あり、十分なメリットを享受できているとは言えない状況がよく見られます。

幸い、退職年金と連動する必要のない同保険の手配方法には多くの選択肢があるので、専門家のアドバイスに従って、以下のようなポイントで自社の従業員に対し、どのようなアプローチが最適かをしっかりと吟味するのが重要だと言えるでしょう。

  • 税務上の取り扱い
  • 価格
  • 保険会社の選定
  • 補償内容

また、退職年金と切り離して同保険を手配する際のプラス面を補足すると、退職年金とセットになった場合、保険料は積み立て上限額に加算されるため、結果的に高額な給料を受け取っている従業員など(主に上級管理職)が悪影響を受ける恐れがあります。翻って、切り離して同保険を手配するとその限りではないので、この点において従業員に対する付加的なメリットの提供が可能だと言えます。

更には、以前と違い会社選定の退職年金ではなく個人として年金運用会社を選択しているような場合、年金運用会社のプランではなく独自の保険手配によって自由に保険内容を選べるメリットもあります。

相談者のように給料のシンプルな増額以外で従業員に対する還元を考えるに当たり、同保険の提供を検討されるのが有効ではないでしょうか。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


斉藤 大(さいとう だい)
エーオン・リスク・サービス・オーストラリア
ジャパン保険サービス部

世界最大手のリスク・コンサルタント会社豪州法人の日系専門部署で日々日系企業顧客の法人・個人保険アレンジ、事故処理などを担当

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