親子で作ろう!元気が出る食卓
「おこわで作るちまき」
5月5日には、粽(ちまき)や柏餅(かしわもち)を食べる風習がありますが、これは、どこから来たのでしょうか?柏餅を食べる風習は日本独自のもので、粽は中国から渡来したそうです。
柏餅は、皮を上新粉(米粉)とくず粉で作り、それにあんを挟んだ物です。柏の葉で包むのは、「柏は新芽が出るまで古い葉が落ちない」、つまり「子どもが生れるまで親は死なない」「家系が絶えない」「子孫繁栄」のいわれからだそうです。
それに対して粽は、中国の行事とセットで日本に伝わってきた習慣です。その言い伝えとは、「楚(そ)の国の高名な詩人で、国王の側近として仕え、人びとからも慕われていた屈原(くつげん)。陰謀によって自ら川に身を投じることとなった屈原だが、その死を悲しんだ人びとは多くの粽を川に投げ、供養した。しかし、川のほとりに出た屈原の幽霊が、川では悪龍(あくりゅう)によって粽が全て盗まれてしまうので、悪龍の苦手なれん樹の葉で米を包んで、五色の糸で縛って欲しいと頼んだ」というもの。
この屈原の故事から、その風習が病気や災厄を除ける行事となり、やがて日本にも伝えられたと言うのです。
今では、粽は円錐形の形をしていますが、以前は三角形をした物もあり、笹などの葉で包み、蒸したりゆでたりして食べられていました。今回は、この粽にちなんで、おこわを笹の葉に包んでみようと思います。乾燥した笹の葉は中華系食材店で購入可能です。
「おこわで作るちまき」のレシピ
材料(6個分)(1TBS=20ml、1tsp=5ml、1cup=250ml)
もち米 | 3合 |
鶏肉 | 150g |
ニンジン | 50g(1/2本) |
タケノコ | 50g |
干しシイタケ | 4枚(水で戻しておく) |
冷凍グーリンピース | 適量 |
【調味料(※)】
・鶏がらス-プ | 1と1/2カップ |
・醤油 | 2TBS |
・酒 | 1TBS |
・砂糖 | 1tsp |
・塩 | 1/3~2/3 tsp |
・油 | 少々 |
乾燥した笹の葉、タコひも | 適量 |
作り方
- もち米は洗い、電子レンジ用のふた付き容器に鶏がらスープと共に、30分以上浸けておく。
- 笹の葉は洗って水に浸け、柔らかくする。
- 鶏肉は1センチ角に、ニンジン、タケノコ、シイタケは0.5センチ角に切っておく。
- ①の容器に、鶏肉、野菜、調味料(※)、油少々を入れて電子レンジ強で20分加熱する。すぐに取り出し、蒸しむらのないように全体をよく混ぜ、更に10分ほど加熱する。グリーンピースを加え、そのまま10分ほど蒸らす(容器にふたがない場合は、ふんわりとラップをかけて調理する)。
- 水気を取った笹の葉を十字に置き、お茶碗軽く1杯分のおこわを真ん中に置く。ご飯を包むように、笹を持ち上げ、根本をきっちりとくくる。
- 食べる直前に電子レンジか蒸し器で温かくする(再度火を通すことで、笹の香りがおこわに移り、おいしくなり、冷凍にも適する)。
才川須美(さいかわすみ)
管理栄養士&食育インストラクター。現在、シドニーで料理教室を開催中。グループ・レッスンでは、日本食をベースにしたおいしく、簡単に作れるおもてなし料理を中心に教えており、男性参加者も多い。また、精進料理のクラスも大変好評で、豪寿庵など自宅以外でも定期的にクラスを開催している。子ども向けクラスは、ホリデーごとに家庭科のベースとなる料理と洋裁を中心に行っている
Web: www.sumiskitchen.com、www.shojin-ryori.com.au