一度は憧れるクルーズだが、いざ参加しようと考えた時、「敷居が高いのでは?」「どのくらいお金が掛かるのだろう」などといった疑問も多いだろう。昨年初めて大型客船のクルーズを経験した日豪プレス読者の新木和広さんの実体験と、その他船旅経験のある方々に船旅の実態と魅力を伺った。
食事について
朝食・昼食について教えてください。
新木さん:アラカルト・メニューの中から選ぶことも、ビュッフェも可能です。朝食の際、オムレツは具を選んで1人ひとりに焼いてくれます。ビュッフェの内容はホテルのバイキング並みでした。
夕食について教えてください。
新木さん:基本的には「チョップス・グリル」というレストランで3コース・メニューから選択していました。オントレ、メイン、デザートそれぞれ約10種類の選択肢があり、そのうち約半分は日替わりメニューです。また追加料金を払えばロブスターやフィレ・ステーキを食べることもできます。食事のレベルはまずまずの高さで、選択肢が多いのに驚き、何を食べるのか毎回迷いに迷いました。カジュアルに食べたければビュッフェで、春巻きなどの中華料理なども食べられます。専門料理を出すスペシャリティー・レストランもあり、記念日に「イズミ」というレストランですしや天ぷらなどの和食を楽しみました。別料金は2人で84ドルくらいでした。
サービスについてはいかがでしょう。
新木さん:ステーキを頼んだ際に、ミディアム・レアを頼んだのにミディアム・ウェルダンで出てきました。取り替えてもらえないか頼んだところ、気持ち良くすぐに焼き直してくれたのはありがたかったです。またある時はエビがおいしいと言ったら、追加で山盛りのエビを持って来てくれました。こんなに食べ切れない! と思いましたが、サービスは良すぎるくらい良かったです。
ドレスコードについて教えてください。
新木さん:夕食時のフォーマルは2回のみでした。フォーマルではシャツ、ネクタイにジャケットを着用しましたが、周りの皆さんも思っていたよりカジュアルな感じだったので、席に座ってからネクタイを外しました。朝食と昼食は皆さんビーチ・サンダルです。
教えて!経験者の声
Mさん:期待していた以上で、特にメキシカンがおいしかったです。アジア料理はあまりありませんでした。飲酒する人は、時間もあるのでついついお酒が進んでしまうことも考え、あらかじめ飲み放題のパッケージなどを購入された方がお得かもしれません。食事の際は、毎日スタッフが誘導して全員でダンスをするのが楽しかったです。
Yさん:スペシャリティー・レストランは人気があるため、早めの予約をお勧めします。大晦日の夜のディナーをクルーズ乗船後に予約しようとしたら、満席で予約できませんした。
Hさん:日本語が通じないため、英語が苦手な人は注文の際に苦労するかもしれません。
Sさん:食事は充実しすぎて、大半の人は太ってしまいますので、自分でコントロールすることが大切です。
エンターテインメント・アクティビティーについて
何に参加しましたか。
新木さん:クルーズ船は大人のテーマ・パークです。劇場ではミュージカル、アイス・スケート・ショー、オーストラリア人歌手のショーなどを楽しみました。毎日その日に行われるアクティビティーの一覧が貼り出されるので、それを見ながらスケジューリングしました。
教えて!経験者の声
Mさん:船内のインフォメーションは毎日のアクティビティーも含め携帯電話に連絡が入ってくるので情報収集が容易でした。
Yさん:バンド演奏の時に、アメリカ人の乗客たちがとても陽気に踊っているのを見るのが面白かったです。
Sさん:自分でアクティビティーを企画することもできたので「失恋レストラン」という自分の失恋エピソードを語り合うというイベントを企画しました。同世代の方々30人ほど集まり、なかなか盛況なイベントでした。
寄港地のオプショナル・ツアーについて
船主催のオプショナル・ツアーに参加しましたか。
新木さん:はい、リフー島で参加しました。島周遊、1時間ほどのシュノーケリング、現地の人からのココナツ・カニの紹介が含まれて52ドルでした。内容を考えると、まあ相応の値段ではないかと思います。
参加しなかった時はどのように行動しましたか。
新木さん:バヌアツは船でオプショナル・ツアーは頼まず、自分でドライバーを手配し観光しました。船内で頼むと1人270ドルのところを110ドルで済みました。ヌメアではフレンチ・カフェで朝食を食べた後、10ドルの島周遊バスに乗って周りました。
一番良かった場所はどこですか。
新木さん:ミステリー・アイランドが私のハイライトでした。南太平洋に浮かぶサンゴ礁に囲まれた無人島。歩いても小1時間で1周できる島で、海が息をのむほど奇麗でした。
教えて!経験者の声
Yさん:船主催のオプショナル・ツアーは一見高く感じますが、どれも楽しかったので良い印象でした。
Hさん:寄港地のオプショナル・ツアーは日本語のツアーもあり、全部参加しました。特にサントリーニ島は多くの観光客がいる中、ルートを熟知したガイドが無駄なく効率的に案内してくれました。
Sさん:ベトナムのダナンで参加しました。現地の同い年くらいの学生と交流し、2人乗りのバイクに乗せてもらって街を散策するという内容で1万円くらいでした。現地の人のリアル・ライフを知ることができました。
クルーズ旅を経験してみて
クルーズの最大の魅力は何だと思いますか。
新木さん:まず費用が信じられないくらいリーズナブルであることです。11日間の旅程が2,350豪ドルで、日本円に換算すると20万円以下になります。3食フル・コースあるいはバイキングが付き、客室もホテル並です。サービスにも大満足で何ひとつ不自由がありません。毎日プール・サイドでのんびりしたり、毎晩劇場のショーが楽しめます。しかもホテルを移動することなく、毎日違った観光地に連れて行ってくれるので癖になりそうです。
またクルーズに乗ってみたいですか。
新木さん:はい。今回乗船した「エクスプローラー・オブ・ザ・シー」が建造された当時は最大級の豪華客船でしたが、現在はどんどん新しいクルーズ船が建造され、今では客船規模のトップ10にも入っていません。今度はもっと大きな船に乗りたいです。
今後乗船を考えている人へメッセージをお願いします。
新木さん:クルーズ船、皆さんにお薦めしています。私たちの体験談を読んで、乗ってみたいと思って頂けたらこんなにうれしいことはありません。
教えて!経験者の声
Mさん:乗船客を飽きさせないような演出で毎日十分楽しめました。休暇中は気分が大きくなって普段やらないカジノやゲームでお金を使いすぎることもあるので気を付けた方が良いかもしれません。
Yさん:移動が嫌いな人にはクルーズはぴったりだと思います。また船の中でもたくさんの出会いがあり、いつも同じテーブルで食事をしていたアメリカ人夫婦とは今でもたまにメールのやりとりをしています。またクルーズに乗りたいと思いますが、60代以降でも良いかなと思います。
Hさん:ぜひまたクルーズに乗りたいです。とても快適に過ごせて体への負担が少なく旅行できるのがクルーズの魅力だと思うので、ご両親や祖父母と一緒に参加されると良いですね。
Sさん:ピース・ボートはポスター貼りなどの活動をすると対価を旅費から引いてくれる制度があるので利用し、30万円ほどの活動費を引いた約70万円で乗船できました。短期間で19カ国、世界1周のダイジェストができるのはすばらしかったです。ただし寄港地は滞在時間が短いです。特にインドでは着港が遅れたため、数時間しか滞在できなかったのが残念でした。また、1人で乗船したので、毎日が新しい人との出会いの連続で、人生が変わる出会いもありました。時間とお金があればまた乗ってみたいですし、人生に一度はクルーズに乗ることをお勧めします!